先週のサルナシの壁面緑化に続いて、本日はブドウをご紹介します。
センター管理棟2階南側には、ヤマブドウの園芸品種の‘ポットレッドワン’と‘紫紺のしずく’、それにブドウの野生種であるエビヅルを育てています。ヤマブドウは日本の野山にふつうに自生するブドウ科のつる性落葉樹です。エビヅルも日本原産のつる性落葉樹です。
どのブドウも耐環境性に優れ、春先の萌芽も早く、果実を楽しむことができ、秋の紅葉も楽しめます。園芸別科花卉専攻生の修了論文の研究テーマとして、サルナシと同様に一昨年の春に定植したものです。
‘ポットレッドワン’
‘紫紺のしずく’
‘ポットレッドワン’と‘紫紺のしずく’は定植2年目の今年は3m近くまで生長し、葉も大きいので緑陰効果は抜群でした。夏場の最も暑い時期で、-5℃ほど周囲より温度を下げる効果も確認されました。
一方、エビヅルの葉はそれほど大形ではなく、旺盛にも伸長はしませんが、結実量が多いので家庭果樹として生食はもちろんジュースやジャムに加工して楽しむことができます。
欠点と言えば、ヤマブドウは上手に毎年株元近くまで剪定をしないと、次第に株元に葉がなくなってしまうこと。樹勢が強いためきちんと剪定をしないと、緑のカーテンとして収拾がつかなくなってしまいます。手の届かないところに果実が実ったりして・・・。その点、エビヅルはそこそこ株元からの芽吹きもあり、それほどつるが伸びないので、壁面緑化として楽しむには良いかも知れません。
ブドウもサルナシと同様に地面に植えても良いのですが、その場合には樹勢が強いため、きちんと管理の出来る棚栽培をお勧めします。
建物に沿って地植えをすると、つるがどんどん伸びてきて、手入れをしないとそのうち家がお化け屋敷のようにつるで覆われてしまいますよ~。
いずれにしても、壁面緑化向きのつる性植物は、ゴーヤ以外にもまだまだたくさんありますので、ぜひ来年はお試し下さい。
(渡辺均)
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