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すでにお知らせをしておりますが、当研究室の同窓会組織である一社)花葉会(かようかい)が主催する花葉サマーセミナー2025を8月29日(金)~30日(土)に柏の葉キャンパス内で開催します。
今年のタイトルは
「カーボンニュートラルに向けた花みどり産業の進むべき道」。花卉業界などでは今まであまり取り上げられて来なかった話題です。昨年の花や緑の効果や効能に続き、今年は人だけではなく、花卉業界や緑化ビジネスが環境にも優しい産業に変革できる可能性について、皆様方と一緒に考えたいと思います。
スピーカーは、長年、この分野の研究を行なっている当研究室の黑沼准教授に基本的なカーボンニュートラルについての概念から、豊富な研究データを元にその可能性についてお話し頂きます。草本植物の炭素固定能力や土壌への貯留、土壌資材の地産地消と循環型社会の可能性などについてもお話して頂きます。また、すでに実践している先進的な生産者の事例紹介、各分野の先生方にその可能性をお話し頂きます。
詳細、お申し込みは、花葉会の下記HPをご参照下さい。
http://www.kayokai.net/seminar.html
花や緑は人々の健康に良いだけではなく、環境にも良い産業であることを業界自らが意識し、これから進むべき一つの方向性をお示しできればと考えております。皆様のご参加をお待ち申し上げます。
(渡辺 均)
8月に入り大学も夏季休業となりました。今年も3年生の専門実習(栽培・育種学専門実習)で受講生に直径45㎝の樽プランターにペチュニアを植え付け、7月末の実習でその完成度を評価しました。
今年は15基の樽プランターが並びました
花はタネを播いて生産物を作るだけではなく、美しく展示(魅せる)することも大切な要素です。ペチュニア‘さくらさくら’、‘桃色吐息’、‘おゆきちゃん’のポット苗を植えつけ、およそ2カ月にわたり栽培管理をして貰いました。その課題は・・・・・。
①
7月の最後の実習日に満開な状態に仕上げること
②
樽プランターの外側1/2まで植物(花)で覆われていること
③
上面、側面にバランスよく3色の花で覆われること など
さて、その結果は・・・・・。
いかがでしたか? 手入れをした学生さんの個性(?)が表れているようで、完成した作品もそれぞれですね。
植物の栽培や研究は、「目線をより植物に近づけて、よく観察すること」が大切です。言葉にすると簡単なようですが、観察から得られる情報を察知・理解して対応することがとても重要です。4カ月にわたる実習で少しでも植物への「目線」が近くなってくれたら良いのですが・・・・・。
(渡辺 均)
身長160cmの人間と並んだ様子
今年もこの季節がやってきました。真っ赤に熟したオタネニンジンの果実を洗い、種子を取り出し・・・・・。とそろそろこの作業を行なう時期なのですが、毎年、果実(種子)を購入している産地から、今年は出荷ができないとの連絡がありました。
赤熟したオタネニンジン果実(昨年の画像)
オタネニンジンの産地では、今年の春先の低温で出芽と生育が遅れ、その後の長雨で病気が多発し、さらにその後の急激な高温により十分な種子が得られなかったようです。生産者が自家生産に使う種子も足りないそうです。さらに今年の根の収穫も心配な状況です。
近年の異常気象、長雨、夏場の高温や乾燥により、オタネニンジンの栽培自体がこれまでの産地では難しくなっているようです。昨年は、高温の影響により4割近くが浮き種子になってしまい、芽切り処理を行なっても腐敗してしまいました。
植物工場内で栽培している株からの採種と一昨年に採種して保管している冷凍種子があるので、研究用としての種子は確保できているものの、皆様へお分けできるほどの苗を生産することが難しくなってしまいました。
植物工場内で赤熟したオタネニンジン果実
採種専用圃場の設置、苗生産と製品生産(5~6年根)の分業化、植物工場の利用、培養苗の導入など、対応できる技術はありますが、異常気象のスピードが早すぎて、産地全体の新たな生産体制が整うまでにはもうしばらく時間がかかりそうです。時間との戦いにもなってきました。何とかしないと・・・・・。
(渡辺 均)
さっそく反省点・・・花の大きさが大・中・小とあるので、大きさにメリハリ、色味にもメリハリをつけるといいのかな。
次は、よーく考えてから 実践したいと思います。 なんでも日々精進!
大島
梅雨も明け厳しい暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。先週は鉢植えのヨモギの切り戻しを行ないました。見学にお越しになる方は、大きく生長したヨモギのトンネルをくぐり、撮影されて行かれますが、一方で一日一回の朝の灌水だけでは夕方には萎れてしまうようになってしまいました。また、蕾や花がつき始めましたので、種子をつけさせないためにも切り戻しが必要になってきました。
ヨモギのトンネル
大きく生長した栽培中のヨモギ
10号鉢に植えられているヨモギは、大きいものでは3m近くまで生長し、寒冷紗の合わせ目からさらに上を目指して伸びてしまいました。ヨモギの研究を一緒に行なっている柏の葉鍼灸院の松本先生にも診察後に応援に来て頂きました。地際から30㎝の高さで剪定鋏を使ってすべて切り戻しました。栽培管理上、3か所ほど誘引、結束していましたので、長さ2m近くのヨモギの束を担いで回収するような作業になりました。
切り戻しが終わったヨモギと切り取った山積みの茎葉
台車に切り取った茎葉を乗せるとすぐに山積みになりました。切り戻し作業を行ないながら、それぞれの株の特徴や茎葉の香りを再確認しつつ、一方でヨモギの細かな毛の影響でくしゃみと鼻水が止まりませんでした。
切り戻し完了!
作業は半日で終了しました。ハウス内の風通しも良くなり、これでしばらくは一日一回の灌水で済みそうです。
(渡辺 均)
下には新しい芽がふいていますが、こうなると手入れが必要そうですね。
グランドカバーといえば、
「手間がいらない」 「ほっといても元気にはえている」が理想です。
次は何を植えてみようかな。
大島
先週は試験栽培中のキクイモの生育調査のため、北海道へ行ってきました。7月の北海道は晴れの日が多く、草花もたくさん咲いていますので観光に行くには良い季節ですね。飛行機もレンタカー屋さんも観光客でいっぱいでした。
さて、キクイモの新品種をつくるプロジェクトについては、以前のブログでもご紹介しましたので、下記をご参照下さい。その目的は、大規模機械化、収穫量が多く、形状が丸く(加工性)、イヌリン含有量が高く(機能性)・・・・・。
https://naeseisan2.blogspot.com/2023/10/blog-post.html
試験栽培中のキクイモ
試験栽培中の圃場を訪問した最初の印象は、株が大きくなっていないことでした。圃場担当者の方にその理由を尋ねると、今年は春先の低温によって出芽が遅れ、その後の高温、少雨の影響により生育がかなり遅れているとのことでした。確かに土がパサパサでした。例年ですと、この時期には私の背丈を超えるのですが、今年はその半分ほどの大きさではないかと思います。今後の生育が心配です。
生産用のキクイモ
近くの圃場には、生産用の在来品種が植えられていましたが、こちらもかなり小さめでした。新品種候補とは、明らかに葉の形状や生育にも違いが見られました。秋には新品種候補の収穫量や形状、イヌリン含有量を在来品種と比較し、最終的な品種候補を決定したいと考えています。まずは、恵みの雨と今後の生育の回復を願うばかりです。
(渡辺 均)
今年の3月に一社)日本薬用機能性植物推進機構(JFPPA;https://jfppa.or.jp/)でヨモギに関するセミナーを開催しましたが、これに関連して、7月4日付けの日本農業新聞でヨモギの特集記事「ヨモギにじわりヒットの予感 身近な野草を副収入に」(オンライン)が掲載されました。
https://www.agrinews.co.jp/economy/index/316776
セミナー後に日本農業新聞の記者の方が講師の先生方へさらに取材を重ね、国産ヨモギの可能性についてまとめたものです。ヨモギは、主要な品目にはなりにくいけれど、用途は広く需要があり、国産は不足している現状を考えれば、もっと作付けを増やしても良いのかと・・・・・。手間もそれほどかかりませんし。
また、当研究室では、日本各地のヨモギを収集して研究を行なっていますが、ヨモギは変異幅が大きく、また地域性もあります。各地で古くから利用されてきたヨモギも微妙に地域差があり、昔からその違いを識別して加工・利用されてきた経緯があります。地元で採集されたヨモギの味や香りの違いを地元の方がきちんと認識できれば、ブランド化の可能性もありそうです。
どこにでもあり、雑草として扱われがちなヨモギですが、その違いや有用性に気が付けば、その地域独自の新たな価値を生み出す商品にもなりそうです。
地方に旅行に行った際は、その地域で売られている草だんごやヨモギ餅を食べ比べ、その地域独自のヨモギの風味を楽しむのも面白いかも知れませんね。
ハウス内で試験栽培中のヨモギ
(渡辺 均)