2014年8月29日金曜日

切り花品種を鉢花に!

  今日の実習のメニューは、トルコギキョウの鉢上げです!

 この品種はトルコギキョウの切り花品種で、現在3号ポットに2株植え、摘心1回の状況です。これを、7号鉢に14ポットで鉢上げしていきます。


これが見本鉢と花が咲いた様子です。


本来は切り花品種である植物を、鉢花として生産するため①株が高くなること、②分枝が少なく鉢花としてボリュームが出にくい点などの問題を解決する必要があります。

 そこで、わい化剤を散布し株の高さを抑え、1鉢に入れる株数を増やしたり、摘心することで、上記の様な見本鉢が出来上がっていくそうです。

 また、鉢上げの際の一工夫として、ポット内の背の高い株を鉢の中心側にすることで、草姿の整った鉢花にしていきます。


  

 ハウスの建設・修繕も一段落したためか、植物のことや出荷のことを考えた実習は、新鮮味を帯びていました。
 真夏の力仕事は、雑念を取り払い、植物に没頭させてくれる効果があるようです。笑


学生:黒沼



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2014年8月25日月曜日

コケ玉

花卉・苗生産部ではご希望に応じて色々な講習会を開催しています。今回は、コケ玉教室を開催しました。コケ玉は観葉植物などを使って、根の部分を粘質の土で包み、その上から生きたコケやミズゴケ等を巻き付けて、その姿を観賞するものです。

今回入手した植物材料は、2号サイズのハイドロカルチャーで栽培されていた、ポトス、ポリシャス、ペペロミア、モンステラ、シェフレラ、ガジュマル、パキラ、シンゴニウム等を使用しました。

まず準備として会場の設営です。机や椅子を人数分用意し、次に用具や植物を準備します。会場の準備が終わったら、コケ玉の制作過程がわかるようなサンプルを作成し、実習手順の確認です。今回の講習会の助手の黒沼さんにもサンプルを作ってもらいました。




最近では、上の画像のようなはめ込み式のコケ玉栽培キットも販売されています。ポットから苗を抜いて植えるだけでコケ玉が楽しめます。


上の画像はコケを巻き付ける前の状態です。今回は、ハイドロカルチャーのポット苗を使用したため、ポットの用土をすべて取り除き、コケ玉用土として、等量のケト土、鹿沼土、腐葉土に水を加え、よく練り込んだものを使用しました。



最後に湿らせたミズゴケをナイロン製の糸や木綿の糸で形を整えながら巻きつけたら完成です。今回は乾燥させたミズゴケを使用しましたが、数週間もするとミズゴケに藻が発生してくるので、しばらくすると緑色のコケ玉が完成します。しばらくはやや暗い場所で管理しますが、根が活着して新しい葉や芽が伸長してきたら、室内の明るい場所に移動させ、灌水の替わりに薄い液体肥料を適宜与えて管理します。根腐れを防ぐため、生育が止まる冬季には灌水を控え、やや乾かし気味に管理します。
このコケ玉の一部は、104日(土)~5日(日)に開催される松戸祭(松戸市)の千葉大学園芸学部のブースで出展・即売される予定です。



(渡辺 均)




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2014年8月22日金曜日

おひさま


8月に入り暑い日が続き、夏到来!

という感じでしたが、お盆の間はおひさまの姿もなかなか見られず、強い雨が降り続きました。
おひさまもお盆休みだったのでしょうか。


こんにちは、学部4年の村岡です。
突然ですが、今日は私の研究について少しお話したいと思います。

私の研究対象となる植物ですが、、、

 
この植物はCalibrachoa(カリブラコア)属の原種にあたる植物です。

カリブラコアは、近年では多くの園芸品種が販売され、目にする機会が増えました。


この植物の花にはある特徴があります。
まずひとつはこの花、夜になると、とってもあま~い香りがします。

そしてもうひとつは、、、

色が変わるんです!!


他の植物でも見られる、花色が変わっていくこの現象。
ゆっくり黄色から赤色に変わっていく花や、白からピンク色へと変化する1日花などがあります。

園芸品種で見られるなら珍しくもないじゃないか、と思っている人もいるかもしれません。

しかしこの花、色が変わるだけではなく、もとの色に戻るんです!
大事なことなのでもう一度、、、


戻るんです!!

その一日での変化している様子がこちら
左側から午前4時、正午午後8時の花の表と裏の写真です。

上の表側では暗いときは白色、明るい時は黄色に変化します。
下の裏側では暗いときは紫色、明るい時は主に黄色ですが、部分的に紫色に変化します。

これは花が終わるまで毎日見られます。
このような変化が生じる花は、非常に珍しいとされています。


この花色の不思議な変化が私の研究題材です。

色といい、香りといい植物の中では一体何がおきているのでしょうか、、、


しかし、ここで問題となるのが『おひさま』

曇りや雨など天気の悪い日は、あまり綺麗に変化してくれません。
というわけで、綺麗なデータを取るためにも、おひさまの力が重要です。


晴れろ~!

と念を送っておきましょう。



(学部4年 村岡)




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2014年8月18日月曜日

園芸番組の収録終了!

6月からおよそ2か月間にわたり、花卉・苗生産部で新たな園芸番組の収録が行われていましたが、16日に終了しました。

番組名は「趣味の園芸ラボ」NHK教育テレビ、趣味の園芸の新たな企画番組です。趣味の園芸の番組で、今まで何となく言われ、行われてきたことを実際にやって見たら、やらなかったらどうなるのか・・・? それを画像で記録して放送するという企画です。

詳しくはコチラ http://www.nhk.or.jp/kurashi/engei/

花卉・苗生産部で行なった栽培試験内容は、
灌水量の違いがニチニチソウの鉢物の生育に及ぼす影響
種子の播き方(種子の向きや深さ)の違いがヒマワリの発芽に及ぼす影響
ポット苗購入時の摘芯(ピンチ)の有無がペチュニア‘さくらさくら’の
 その後の生育に及ぼす影響
追肥の有無がペチュニアのその後の生育に及ぼす影響

数日おきに草花の生長や株の変化、発芽の様子を画像で記録しました。テレビカメラの撮影もその間に数回行われました。

収録を待つ植物とそれを調整する博士課程1年の黒沼さん

カメラ3台で収録開始! 
カメラと照明の三脚が林立しています。
つぼみから開花までの様子を撮影しています。

肥料試験の鉢花の撮影
先日開催された花卉・苗生産部感謝祭の会場と同じ場所で収録です。
お湯で磨いてあるので床はピカピカ!

定植時に摘芯した株としていない株のその後の生長の違いを撮影しています。

この内容は、831日(日)830分から教育テレビで放送されます。番組の中身については放送されるまで私たちもわかりませんが、25分番組に2か月を費やしたことになります。かなりの長期戦でした・・・


(渡辺 均)




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2014年8月15日金曜日

芝のポットあげ


今日の実習芝のポットあげを行いました。



下の写真のように3芽ほど出た状態で地下茎を切り取り、ポットに植栽していきます。

出荷予定が多くありますので作業はまだまだ続きそうです。


この芝は「みじょかという品種で、千葉大学と民間企業とで共同開発されたものです。

この品種は草丈がコウライ芝の1/3程度と矮性で、さらに踏みつけに対して強いということが特徴です

また、芝刈りの回数が少なくて済むので、維持管理が楽になります。


この品種が全国の屋上緑化や公園で見られるようになれば嬉しいですね。


(学生:修士1年 土田)



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2014年8月13日水曜日

無謀な挑戦


お盆ですね、みなさまいかがお過ごしでしょうか?


さて、私はオタネニンジンの二年生休眠苗(出芽すれば三年生)を
播種から8ヵ月で出荷するという無謀な栽培試験(出荷もします)を行っています。


なぜ無謀といえるかというと、
まず、種子を発芽させるためには低温に長期間遭遇させなければなりません。
通常は春に発芽して、秋に休眠し、春まで目覚めません。
ですから、上記の二年生休眠苗を出荷するには、通常約2年かかるのです。


8ヵ月で出荷するには種子の早期発芽、苗の休眠制御等の問題をクリアしないといけません。
なんとしかし、見切り発車!(ある程度、予備調査はしましたが・・・)





これは播種時(約5か月前)





発芽し、展葉した様子(一年生苗)





しばらく育苗すると・・・あれれ枯れてきましたね。
地上部が枯死し休眠に入ります。
これがおよそ2週間前。
枯れた葉はきれいに取り除きました。




そしてある魔法をかけると、休眠が打破され出芽してきました。
これが今現在です(二年生苗)。
休眠は通常4~6か月ですが、魔法をかけてからわずか5日で休眠が打破されています。
予定よりも栽培は遅れていますが、何とか出荷までこぎつけられそうです。


今回の試験はとても単純なものです。
高度な理論、高価な分析機器・試薬などはほとんど使いません。
最も必要なのは人間と植物だけです。


こんな研究もすばらしいと思いませんか?


(新藤)


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2014年8月12日火曜日

花卉・苗生産部 感謝祭2014


今年もあの季節がやってきました。
花卉・苗生産部感謝祭。

今年は去る8月8日に開催し、今年も多くの皆様にご参加頂きました。

去年はブラジル料理のシュラスコをやりましたが、今年は...



仔羊の丸焼き!!




5~6時間かけて、じっくり、こんがり、焼き上げます。




そして、天然鮎の塩焼き!!




その他、鰹のたたきや、鹿肉のカツレツなどなど。

学生さんたちのパフォーマンスも昨年に引き続き、絶好調でした。



ステージはバナナやらマンゴーやら、とにかく暑い夏を演出!



黄色いスイカも割りました!


今年も、お取引先様、園芸業界の皆様、大学教職員の皆様、卒業生や学生の皆様はじめ、100余名の方々にご参加頂きました。

ご参加頂きました皆様、ありがとうございました!!
ご準備頂いた皆様、ありがとうございました!!

心より御礼申し上げます。

いろんな仕事、年代の方々が集まって、飲んで、騒いで、仕事のこと、仕事じゃないこと、忌憚なくしゃべり合う場になっていたら幸いです。

来年もお待ちしております。

(金谷)


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2014年8月11日月曜日

ひらけ○○!  

今回は花卉・苗生産部で栽培・研究されているある植物をご紹介します。

この品種の花は薄い桃色ですね。他には白色や紫色があります。この花を見て植物名がわかったら、結構植物に詳しい方かも知れません。

花後の果実はずんぐりタイプや・・・

縦長のものまでさまざまです。品種によって蒴果の形は異なります。



 上の画像でもうお解りですね。ゴマ(ゴマ科・Sesamum indicum L.)です。画像は白ゴマですが、黒ゴマ、金ゴマも栽培しています。上の画像のように蒴果の中にきちんとゴマの種子が整列してはいっているのがとても面白いですね。
露地や容器栽培でも容易に生育します。そのため、観賞用として、家庭菜園の素材としてもっと普及しても良い植物ではないかと思います。ただし、花が一日花であることや、8月末頃から地上部が枯れてくるなど、長期間の観賞性はありませんが・・・。ただ、なじみの深い植物であることから、ある幼稚園では植物の生育の観察と食育を兼ねて園庭内で栽培しているところもあります。

以前、花卉・苗生産部では、黒、白、金ゴマの各品種を1鉢に植えて‘ひらけゴマ!’という名前で鉢物として提案したことがありました。名称は良かった(?)のですが、品種によって草丈が若干異なるため、生育の揃ったなかなか良い鉢物ができませんでした。

播種時期を遅らせるほど花数は少なくなりますが、草丈の低い状態で開花・結実しますので、小さなポットでゴマを収穫することが可能になります。



  (渡辺均)




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2014年8月7日木曜日

ピレスラム筋播きの巻

先日精製したピレスラム
その後のお話です。

http://naeseisan2.blogspot.jp/2014/07/blog-post_31.html

比較的重い種子が扇風機の近くに、
軽いゴミは遠くにまとまります。


風選で一番手前に落ちたものと、
遠くに落ちたもの、
その中間に落ちたものを選別して集めます。

一番種子の多い箇所から、数gづつ
育苗トレイに播いていきます。

今回は、発芽率が低いことを考慮して筋播きにしました。
最初に播種用土に浅く筋を付け、(・・・曲がってるよー!)











その筋に沿って種子をパラパラと落としていきます。






















筋を作ることで、バラ播きするよりも均等に種子を播くことができ、
発芽後も芽の確認がしやすくなります。

播き終わったら軽く灌水して発芽室へ。

5日くらいで小さな芽が出てきました!










(ピンボケですみません)

この芽を、順次セル上げしていきます。
やはり風選の効果は高く、
一番手前に落ちたものと中間地点に落ちたもので
発芽数に2倍近くの差が出ました。
やってよかった!!

でも、、、播種が終わったと思ったら
ひたすらセル上げに追われています。
植物は、人に都合よく待ってはくれませんね(泣)



ピレスラムは、宿根草ですが、
加湿による蒸れや夏の暑さには弱いため
これからの時期が、勝負です。
せっかく移植した芽が暑さにやられてしまっては
元も子もないので、
今後は涼しさを保てるよう様々な工夫をしていきます。

一般家庭では、
もう少し暑さが和らいだ時期がおススメですよ~




(池田)




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2014年8月6日水曜日

オタネニンジン果実の調整


だいぶご無沙汰してしまいました。
昨日はオタネニンジン果実の調整を行いました。




真っ赤な果実、けれど甘くはありません。しっかりオタネニンジンの味です。
これがさくらんぼだったらうれしいのですが・・・




1房で30~60くらいの果実がついています。
これをもいでいって・・・





10000粒以上の果実を得ました。
次に果皮と果肉を取り除いていきます。





ここからひたすらもみ込んで種子を取り出します。
しつこいようですが、果肉が食べられたらいいのになと本当に思います。





果肉を取り除いた図。ここまで相当時間がかかります。
残念ながら果皮が残ってしまっており、果肉の繊維質もへばりついています。
種子の外側の殻(正確には内果皮)が硬いので、
金網に押し付けるながらごしごしと力を入れて、流水で取り除いていきます。
ちなみに、水をためると果皮がきれいに浮いてくるようなラッキーはありません。





悪戦苦闘の末、調整終了の図。果実の時よりかなり量が減っていますね。
これで果実3000粒分くらいです。
10000粒すべてやったので、手がびっくりするぐらいふやけてしまいました。


たくさんありますが、とても貴重な種子です。
今シーズンの実験で大切に利用していきます。

(新藤)


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