2022年8月30日火曜日

じっけん

 時は流れ、8月ももうすぐ終わりですね。暑さも早くひと段落してほしいですね。
 播種していたトルコギキョウも大きくなり、実験を開始するタイミングとなりました。


 ただでさえ、タイトなスケジュールですが、新しい実験がスタートして大丈夫なのでしょうか…
 レンタルした機械も到着しましたので、このタイミングを逃さずに、新しい情報を皆さんにお届けできるように、やるしかない!乞うご期待!



黒沼
 


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2022年8月29日月曜日

バイカモの花 ~滋賀県米原市醒井~

先日、滋賀県米原市へ行く用件がありました。その用務先の近くに旧中山道の宿場町・醒井宿(さめがいじゅく)がありましたので立ち寄ってきました。現在でも宿場町の雰囲気を残す街並みと脇を流れる清流地蔵川がとても良い雰囲気を醸し出していました。

その地蔵川では、ちょうどバイカモの花が満開でした。バイカモは、水温が一定以下の清流にしか自生しない希少な植物です。

バイカモの白い花と、ちょうど街道脇に植栽されているサルスベリのピンクの花が川面に落ち、とても印象的でした。思わず画像に収めましたが、残念ながら実際に見た方が美しいですね~。

道を歩く観光客もこのバイカモの画像を身をかがめて撮っていましたので、派手さはなくてもその落ち着いた美しさに魅了されているのでしょう。また、数キロ離れた丹生川上流にもバイカモの大群落がありました。

建物や街並みを整備・保存するだけではなく、その景観をつくる植物であるバイカモを地域資源として大切にされていることが良くわかりました。

 

ただ、旧街道沿いで売られていたバイカモの粉末が入った梅花藻どら焼きを食べ損ねたのがちょっと心残りでした~(笑)。

 

 (渡辺 均)

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2022年8月23日火曜日

裂けるカーテン

 下の写真は、裂けるチーズならぬ裂けるカーテン。温室の遮光カーテンが、劣化により、寿命を迎えてしまいました…


 ひとまず、この状態でキープしてもらい、涼しくなってきたタイミングで張替えですね。
 裂けるまで光を遮ってくれたこのカーテンに感謝。




黒沼



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2022年8月22日月曜日

「宿題」のその後の生長 ~放送大学の講義~

小中学校の夏休みも一週間ほどになりました。 小学6年生の夏休みの絵の宿題を始業式の前の日から始め、徹夜で完成させたことは今でも覚えています。その頃からギリギリにならないと始められない悪い癖が今でも残っています(笑)。 といっても、もう徹夜ができるほどでもありませんが・・・・・。

 

さて、711日のブログでご紹介しましたが、放送大学の非常勤講師で花の講座を担当しました。その受講者のお一人から、「宿題」の経過報告がありました。嬉しいですね~。

 

7月のブログは下記をご参照下さい。

非常勤講師 ~ 放送大学千葉学習センター ~http://naeseisan2.blogspot.com/2022/07/blog-post_11.html

 

毎回、講義の合間に種まき、挿し木、切り戻し、寄せ植えなどを行ない、その成果物を「宿題」としてお持ち帰り頂きました。その経過報告です。

 

播種したキキョウ

きれいに発芽が揃っていますね。

液肥を与えて秋まで植え替えずにこのまま育てましょう。

 

挿し木した斑入りのベンジャミンゴム

挿した何本かは枯れてしまったようですが、

残った枝は、新葉を伸ばし発根しているようですね。

液肥を与え、鉢底から根を確認し、

新しい葉が2~3枚ほど展開したら1本ずつポットなどに植え替えましょう。

 

寄せ植え

少し花が休んでしまっていますが、寄せ植えとしてすっかり馴染んで、

落ち着いた雰囲気になっていますね。秋までこのまま管理をしましょう。

 

切り戻しをしたペチュニア

茎を伸ばし、その先に花を着けていますね。

株が割れて、茎が伸びてきたら、また切り戻しですね。

 

質問とともに生長した植物の画像を送って下さいました。きちんと植物と向き合うと、植物も応えてくれますね。また、新しい発見やギモンが湧いてきますが、このようにして園芸の楽しみをさらに広げて頂ければと思います。他の受講者の方の「宿題」はどうなったかな~。 来年も開講することが決まりました!

 

 (渡辺 均)

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2022年8月19日金曜日

奇跡が生んだ花

こんにちは。学部4年の松田です。

今回は、先日訪れた埼玉県行田市にある古代蓮の里についてお話しします。

 

ここでは、6月中旬から8月上旬にかけ42種類12万株の花蓮が蓮池一面に咲きます。

目玉は、1400年から3000年前の蓮だと言われている行田蓮(古代蓮)です。


蓮は午前中にしか開花しません。

写真を撮った時には、既に花が閉じてしまっている状態でした。

 

なんとこの行田蓮は、地中深くに眠っていた実が、たまたま施設の建設工事によって掘り起こされたことをきっかけに、自然発芽したそうです。

このように多くの蓮の実が出土し、自然発芽して一斉に開花したことは、過去に例がなく、珍しいケースだと言われています。

 

蓮の種は一度乾燥すると簡単には傷つかない堅い果皮に覆われています。

水に浸けて発芽する種子もありますが、ほとんどの種子がヤスリなどで傷をつけないと発芽しません。

 

ちなみに、世界最古の花として知られる大賀ハスは、蓮の種を採取することを目的に発掘、人工的に発芽させています。

 

園内には他にも水生植物園、水鳥の池、牡丹園、梅林、桜の木のあるお花見広場があり、年間を通して自然の美に触れることができます。

お時間がありましたら、皆さんも是非行ってみて下さい。

 

(学部4年:松田)

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2022年8月18日木曜日

キュウリの接ぎ木

一昨日で大学の夏季休業が終わり、昨日から通常業務です。
今思い返せばあれやこれやをやっておけばよかったと考えても後の祭り,,,悔やまれます。

さて夏季休業前ですが、キュウリの接ぎ木を行いました。
大学では挿し次を行っております。

台木 カボチャが使われます。病害に対して抵抗性をもっています。

穂木 キュウリの食用の品種です。

台木を地際から切り、子葉の中心軸に竹串を刺し、穂木の挿し込む場所を作ります。

こちらは穂木、台木と同じく地際から切り、切り口の断面を広くするために斜めに切ります。


台木に開けた穴に穂木を挿しこみます。活着する部分は茎の外側、形成層のみなので、台木と穂木の形成層を合わせないといけません。


差し込んで簡単に抜けなければ完成です。
72穴のセルに挿して、台木から発根し、穂木が台木と活着すれば完成です。

新澤



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2022年8月16日火曜日

教職員の夏休み

 今日で大学の教職員の夏季休業は終了です。

 なつやすみはーやっぱりーみじかいー
 (そんな歌が脳内でエンドレスで流れています。)

 さて、今年の夏休みは何日トレルノカ?謎が謎を呼ぶミステリーです。

 現在は、一般社団法人花葉会(当研究室のOBOG会組織が母体)で発行予定のフラワータウンスケ―ピングという図鑑の準備を絶賛しております。

左が初版、右が第2版どちらも絶版です。

 そうです。第3版が「フラワータウンスケ―ピング」という名で、2023年の3月ごろに発売予定なのです。
 来年は、研究と教育に集中できるよう、今が頑張り時です。



黒沼


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2022年8月15日月曜日

オタネニンジンの芽切り処理 ~秘伝の技の伝授~

花卉・苗生産では、8月に入り、全国各地から生薬原料が届き、作業棟は乾燥を待つ袋詰めの薬草でいっぱいになりました。そんな中、先週、5升のオタネニンジン種子が届きました。

このオタネニンジン種子は、とても高価なもので、1升数万円もするものです。 一般に、オタネニンジンは6年をかけて根を収穫しますが、その栽培期間中に一度だけ種子を採ります。毎年種子を着けると根が太くならず収量が減ってしまうためです。

 

今回届いたオタネニンジンの種子は、産地で赤熟した果肉を取り除き、洗浄・乾燥されたものです。小豆を赤いダイヤと呼んでいましたが、オタネニンジンの種子は、さながら白いダイヤといったところでしょうか・・・・・。 ふつう、白いダイヤはウナギの稚魚のシラスでしたっけ?


さっそく、オタネニンジンを実験対象としている修士課程の三宅さんと一緒に芽切り処理を行ないました。彼に秘伝の技(?)を伝授です。

このオタネニンジン種子ですが、現時点では胚が発達していませんので、このまま播いてもまったく発芽しません。「形態的休眠」とも言われています。種子を吸水・殺菌させたのち、数ヶ月間一定の温度に遭遇させ、胚を生長させる必要があります。さらに11月頃からは低温処理を行なって、「生理的休眠」を打破させる必要があります。こうして、いくつもの工程を経て、初めて発芽することができるオタネニンジン種子が出来上がるのです。

 

今回、芽切り処理は無事終了しましたが、種子が適度な湿度条件下にあるか、常に確認をする必要があります。しばらく目を離せませんね。一般に花や野菜の場合は、袋入りの種子を買ってくれば簡単に苗を得ることができますが、オタネニンジンの場合はそうはいきません。 自分で発芽能力のある種子を作らなくてはなりません。発芽が揃ってくれなければ、揃った良い苗も得られません。三宅さんの修士2年目の実験にも大きく影響してきます。

 

良い種子を作ること、つまり発芽能力の高い種子を得ること、 そこにはオタネニンジンの生産者の長年培ってきた栽培技術、さらには複雑な種子処理の作業工程、ノウハウの上に成り立っています。このような特殊な技術も学生さんに伝えていく必要があると感じています。

  

 (渡辺 均)

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2022年8月12日金曜日

修士の夏休み

こんにちは。修士2年の舩木です。

 

学生最後の夏休みだ~!わ~い!!

と、浮かれていられたのは1カ月前まででした。

 

自分の研究が良いように転び、今は実験三昧の日々を送っています。

 

今週は2種類の酵素活性の調査に加え、リアルタイムPCRに向けたRNA抽出、逆転写反応、確認のためのPCR、電気泳動もろもろを行いました。



酵素活性は時間との勝負。

遺伝子系の操作はコンタミしないように細心の注意が必要です。

 

そして、どの工程も2040サンプルあるため、時差があまり出ないよう、効率よくやらなければなりません。でないと反応時間にかなりの差が出てきてしまいます。うひゃ~~。

 

加えて、実験機器は全て立ち上がりに時間がかかるため、自分の作業工程の一歩先を読んで準備しておく必要があります。本当に常に頭がフル回転の1週間でした。お疲れ自分。

 

まだまだ実験は続きますが、9月にはプチ夏休みを取れると信じて頑張ります。

(修士2年 舩木)

 

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2022年8月9日火曜日

土壌水分をはかる

 今回は、土壌水分の計測について。先日、共同研究の関係で土壌水分のモニタリングをしておりました。方法は、センター2つを土に埋め、一度たっぷり灌水してから、数日間、水分量をモニタリングするという内容です。




 土壌水分といっても、体積含水率や水ポテンシャル(pF値など)など、いくつか種類があります。手灌水の生産現場では、目視によって経験的に灌水が行われているため、土壌水分を数値化する必要はあまりありませんが、土壌水分計を用いた自動灌水を行う現場では、数値化は重要です。
 機械を信じるだけでなく、実体験として「どの程度の乾き具合が、どの程度の数値を示すのか」については理解しておくと、より確実ですね。


黒沼


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2022年8月8日月曜日

野生のホッカイトウキ(?)を見に行く!

7月で大学の講義や実習もひと段落となり、先週は北海道と愛媛の薬用植物の生産現場を訪問しました。栽培をお願いしている品目がきちんと生長しているのか、収獲のタイミングなどの打ち合わせと確認のためです。そのついでに、北海道では野生のホッカイトウキが古くから自生している場所があると聞き、さっそく見に行くことに。

 

諸説ありますが、ホッカイトウキは「交雑種」であるとも聞いていましたので、まさか野生種が自生しているとは・・・・・。ミヤマトウキではないかと半信半疑で現地に行きました。

 

下の画像のどこにホッカイトウキ(?)があるか分かります? ちょうど画像の真ん中です。オオヨモギの左側です。気温17℃、霧雨! 半袖では寒すぎました。


岩場の隙間に根を伸ばし、葉柄はきれいに緑色で、ミヤマトウキのような赤紫色ではありません。また、その周辺のいたるところに実生もありましたが、これはどっちの特徴?

 


花の咲き終わった株もありましたが、こちらの株は、何となくミヤマトウキの特徴もあるようです。


自生地(?)は近くに畑がある場所ではありません。誰かが人為的に種子を持ち込んで山の岩場に播かない限り、野生種と考えるしか無さそうです。興味と謎は深まるばかりです。

 

 

 (渡辺 均)

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2022年8月7日日曜日

ピンチでピンチに

 暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

修士1年の三宅です。

 

 本日は、私が丹精込めて作った樽プランターのペチュニアについて学生視点でご紹介します。

 

 樽プランターとは、園芸学科3年生の花卉専門実習で毎年作成するペチュニアの寄せ植えのことです。

渡辺先生のブログでもご紹介がありました。

<http://naeseisan2.blogspot.com/2022/08/blog-post.html>

 

植え付けから講評までの経過を写真とともにご説明します。


これは63日の植え付け時の写真です。

合計8株植え付けました。写真中央の株がはげているように見えますが、意図的に強選定を行ったものです。

植え付けの時、三宅は思いました。

「中央をはげさせないように強剪定で花期をずらせばええやんけ」と。

(この剪定が運命の分かれ道とは知る由もなく...)

 

611日、植え付け1週間後の写真です。

株が広がってきたのがわかりますね。

 

74日、植え付け1ヶ月後の写真です。

順調。順調。施肥とピンチ、殺菌剤が奏功したようです。

 

 

迎えた726日、講評の日です。

 

 

どうなったのでしょうか...

 

はげました。(特に中央が)

 

植え付け時の強剪定が影響していますね。

ピンチでピンチです。

 

こちらは729日の写真です。

 

たった3日でこんなに変わりました!

あと少し開花が早ければ講評に間に合っていました。惜しい!

 

 今回の樽プランターを通じて学んだことは3点あります。

 

1点目は、植え付け時の苗の生育は出来るだけ均一にしておくこと。

2点目は、ピンチや剪定はやりすぎないこと。

3点目は、少しの時間で植物の状態は大きく変わることです。

 

 本当にいろんな学びがあった実習でした。

来年は花卉研究室の修士2年生としてこの戦いにリベンジする予定です。

 

長くなりましたが、ありがとうございました。

 

 

                            (修士1年:三宅)

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2022年8月4日木曜日

ストックの八重鑑別

土曜日から昨日まで酷暑日が続き暑さで地面が歪んで見えましたが、今日は一転、過ごしやすい天気になりました。この気温が続くとうれしいのですが・・・

 

さて先日、ストックの八重鑑別を行いました。

 

鑑別方法は

・発芽スピード:八重が早い    一重が遅い

・子葉の形:  八重が楕円形   一重が丸形

・子葉の色:  八重が淡く    一重が濃い

子葉の面積:  八重が大きく幅広 一重が小さい幅狭い

と本などに説明はされているのですが・・

実際はこんな感じ

すべての特徴を持つ株は少なく、八重咲の特徴をどのくらい持っているかで判断します。


鑑定中

   

八重鑑別を終えるとこのような感じになります。

今回八重鑑別をしたものは3か月後に花が咲く予定です。

今年は八重鑑別を初めて行うパートさんとやりました。結果はいかほど?

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