夏に比べて日の長さが短くなり、外作業もなかなか捗らない日になってきました。
朝のうちに、と前倒ししたいところですが、太陽が十分に上がらないうちは寒くて身体が動きませんね…。
前回はロシアの市内探索での文化の一端を垣間見ることができましたが、今回は文化学習のパート2といったところの紹介です。
あいにくの雨模様のなか、車を走らせること2時間ほど…都市部から離れた「チーズ工場」を視察しました。(園芸というより畜産ですが、同じ農業分野ということで…)
こちらは合計20名ばかり、1シフトあたり7人ほどの作業者が勤める小さめの工場ですが、ウラジオストックなど他都市部へも販売用の店舗を構えるほど売上をあげている創設からまだ3年の工場です。
生産するチーズの特徴は、基本的に牛乳以外は何も加えない伝統的な作り方と、最新鋭のロシア製…ではなくイタリア製の機械を組み合わせたナチュラルチーズであること。
『SOLO』という店名も、何も加えない製法に由来します。
お餅のように弾力のある塊を小分けにして形を作ります。
ハードタイプのチーズがじっくり熟成されていました。
見学後、味の濃いハードチーズ、滑らかな舌触りのリコッタチーズ、弾力のある歯ごたえのモッツァレラチーズに、コクの豊かなカマンベールチーズと、美味しいチーズを試食させていただきました。
作り立てということもあってか、全体的に瑞々しさを感じる風味が残っていて、昼食が入らないほどたくさん食べてしまいました。
こちらの会社では元々チーズの取り扱いはあったものの、2014年以前は販売のみで工場はなく、3年前から独学で製造を開始。
こうした事業を行う上での元手となる資金集めには、基本的に銀行や国の補助を頼るわけですが、銀行からの借り入れは利率が高いことに加え、借りられる量や査定が厳しく、それらの制約が少ない国からの補助に対する期待が大きいようです。
ただ、国からの補助であっても購入物などの資金計画が求められ、3年間に2回の監査があり、こうした事業立ち上げのほとんどが計画通りには進まず、会社を回すには資金が足りずに銀行の利率の返済に使うなど本末転倒な使い方で畳んでしまうとのこと。
そうした中でこちらの工場が生き残った要因として大きかったのが、製造を開始すると決めた時期。
ロシアへの輸入制限、制裁により輸入代替品が奨励され始めた際に、ちょうどチーズ作りを始めようとしていたところ、新たな自国生産品に関わる会社として、なんと国営テレビが取材に。
さらに見本市に出したところ、テレビと口コミによる宣伝を勝手に広めてくれたことで、宣伝費をかけることなく大々的な店の宣伝を行うことができたのが、お店を残すことに繋がったそうです。
この社長さん、実力もさることながら、豪運の持ち主ですね。
多くのチーズをお土産に都市部へと戻った後は、市内の植物園と花屋を見学しました。
まず訪れたのは、ソ連時代からの古い観葉植物園で、スポーツ施設も併設された観光施設のような場所でした。
内部では熱帯植物が多く植えられており、珍しい植物や目玉となるような展示はありませんが、伸び伸びと植物が生育した、管理の行き届いた植物園でした。
階段を上ると、かつてのショーステージのなごりや娯楽品が置かれており、時代を感じるところでもありました。
そんななかでふと外を見ると、なんとプールで楽しそうに泳ぐ子供たちの姿が。
温水プールですよと説明はされたものの、屋内でも上着を羽織りたくなるような気温の中、寒風にさらされれば風邪をひいてしまいそうですが…ロシアでは子供のうちから寒さに鍛えられているのですね。
その後に市内の花屋に何軒かお立ち寄り。
大通り沿いということもあり、切花メインの花屋が多めの印象。
日本ではあまり見かけることのない白菊が目をひきますが、
色とりどりのバラ、
寒い中でも鮮やかな暖色系で揃えられた花束や、
寒色をさし色にした花束など、品目ともども様々なものがみられます。
興味深いのは、縦長の花束が数多くみられたこと。
理由としては、ロシアでは住居の広さに対してコンパクトな花束よりも、高さのある大きな花束の方が見映えが良いためだそうです。
前回からロシアの文化について少し触れていたところですが、次回は宿泊地であるウスリースクを遠く離れ、未来ある若い学生たちの待つ、国営教育機関の視察に向かいます。
安藤匡哉
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