2015年2月27日金曜日

クチナシの挿し木


卒論発表・修論発表を終え、またいつもの日常に戻りつつあります。

そんな本日の実習はサトウキビの鉢上げとクチナシの挿し木の2本立てでした。


今回はクチナシをメインにご紹介します!

クチナシ(Gardenia jasminoides
学名にもあるように、花にジャスミンのような強い香りをもつ栽培品種として知られています。

一般的な挿し木時期よりはやや早めの作業を行いました。



昨年伸びた分の枝を切り・・・




カミソリで切り口を斜めにカット そして 断面に発根剤をつけ・・・


挿す!! 向きを揃えながら行いました。


クチナシの名前の由来は諸説ありますが、果実が熟しても割れないことから“口無し” という説が有名の様です。

その他にも、梨のような果実を鳥のくちばしがつついていたことから“口梨”といった説もあります。


また、“朽ち無し”ということで縁起物として贈られることがあるそうです。

植物にも人と同様、名前にはきちんと意味があるのだと感じた実習でした。


(修士1:高橋)



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2015年2月26日木曜日

オステオスペルマム サンセットマジック


おはようございます。

今日はM&Bフローラさんの
オステオスペルマム セレニティシリーズ サンセットマジックをご紹介します。


Osteospermum属で日本で栽培されているものの多くは、初春~晩秋まで咲く(夏場は花を休めます)多年性の植物で、育てやすく花色も豊富なので、花壇や寄せ植えなどに幅広く利用されています。


このサンセットマジックは花色が咲き始めから咲き終わりまでに変化していく珍しいオステオです。
花卉・苗生産部では、現在ボリュームのある7号鉢に植えて4月下旬の出荷に向けて栽培しています。

下の写真は、蕾から花色の変化する様子を追っていったものです。

















最初はクリーム色をしていますが、だんだんとピンク色になり、紫色になり始めたと思ったら、
またクリーム色になって咲き終わります。

1つの花だと、なんだかさびしい感じがしますが、
これをボリュームのある大鉢に仕立てると・・・




いろんな色の過程を一度に見られて、大変きれいですね。
(長嶋)

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2015年2月24日火曜日

理数大好き学生発掘・応援プロジェクト年度末報告会


昨日、千葉大学西千葉キャンパスで、「理数大好き学生発掘・応援プロジェクト」の年度末報告会が開催されました。

このプロジェクトには、園芸学部だけでなく、理学部や工学部の学生さんたちが参加しています。

私たちの研究室からは、3年生の渡辺史さんが口頭発表を行いました。
渡辺さんはこのプロジェクトで、2年生の時から研究を続けています。

研究テーマは、カリブラコア。
自ら交配を行い、その後代の花色や、香り、形態の評価を行いました。




実験植物の実物も紹介!!
(ピンボケですみません...)


4年生になっても、自分で作り出した植物を使って、楽しい研究を続けてほしいと思います。


(金谷)





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2015年2月23日月曜日

花組(園芸別科花卉専攻)修了論文発表会


先週の水曜日に園芸別科の修了論文発表会が行なわれました。


 今年は、花組(園芸別科花卉専攻)の3名の学生さんが発表しました。研究発表の内容は、ミニバラの矮化剤処理、オルラヤ種子の発芽率向上、セル成型苗へのLED光処理による苗質の影響 と様々です。およそ1年をかけて研究を行なってきた成果を発表しました。



修了論文発表会の模様(オルラヤの種子発芽)


この花組の2年間は、その意思さえあれば、講義・実習などのカリキュラムはもちろんですが、1000属テストの勉強やそのハウスの管理など、個人が真剣に植物と向き合うことができる中身の濃いコースです。


ここで重要なお知らせです。
諸事情により来年度の入学生で最後になるはずでした園芸別科の廃止が延期になりました。入試方法や募集人員などの多少の変更はありますが、来年、再来年・・・と意欲のある若手農業後継者が花組に来てくれることを願っています。


渡辺 均


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2015年2月19日木曜日

ペチュニアさくらさくらシリーズの最終ピンチと葉かき

おはようございます。

3月下旬に出荷をむかえるペチュニア3色ミックス鉢の最終ピンチの時期がやってきました。

下の写真は、8号鉢の外側まで、茎が伸びてきた写真です。







アップにするとこんな感じ。

出荷のおよそ5週間前に最終ピンチ(摘芯)を行います。






ピンチはバーナーを使ってハサミに熱消毒をしながら一気に行います。

出来るだけ素早くすべての鉢をピンチし、生育差を揃えます。




 


ピンチ位置は、鉢の周りだけだと、中央部に花が少なくなってしまうため、

中央部に伸びた茎も同時に切ります。





ピンチが終わると、「葉かき」という作業に入ります。

これは、株元にたくさんある小さな芽にも日光を当て、
有効茎数を多くするためと、
株元の通風を良くし、灰色かび病などの予防をするためにおこないます。




葉かきが終了した写真です。






あと1ヶ月、どんなふうに咲いてくれるでしょうか?

(長嶋)



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2015年2月17日火曜日

修士論文、卒業論文発表会

昨日と今日は松戸キャンパス(園芸学部)で修士論文発表会、卒論発表会が行われました。

1年間もしくは2年間をかけて実験計画を立てるところから始まり、栽培、データ収集、実験、統計処理、論文作成、そして最後が学科内の教官や学生さんの前での発表(プレゼンテーション)です。


今年もそのために先輩たちから事前の厳しいチェックと指導を受け、発表練習を何回かこなしました。

自分の研究成果を的確に要旨にまとめ、聴く人たちに分かりやすく説明し、理解して貰えるように努力することも大切なトレーニングの一つですね。

その甲斐あって皆さんとても良いプレゼンテーションができました。


薬用植物のオケラのセル成型苗生産に関する発表


カリブラコアの花色変化に関する研究発表


パンジーの白花品種の分類についての研究発表


卒論発表は学生さんにとっては初めてのことでもあり、貴重な経験となったことでしょう。今頃、どこかで打ち上がっているはずです・・・(笑)。


(渡辺 均)


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2015年2月16日月曜日

コショウを東北で栽培する

コショウはインド原産のコショウ科コショウ属Piper nigrum L.)の半蔓性の常緑植物です。日本では温室がなければなかなか栽培することが難しい熱帯性の植物ですが、そのコショウを東北で栽培しようという試みをご紹介します。
熱帯植物園のガラス温室内では見かけるコショウですが、高温と高湿度を好むため東北では夏場を除いて戸外での栽培は当然のように難しい植物です。東北で栽培するには温室が必要であり、さらに暖房のための熱源が必要です。その熱源を電気エネルギーや化石燃料などに頼れば当然ですが採算は合いません。そこで、東北のとある地域の豊富に湧き出る温泉の熱を利用して、栽培化を検討しようというものです。
その地域は比較的肥沃な土地と夏場でも日中と夜間で温度差がありますので、コショウの生育・開花・結実にも適していると思われます。そのため現在、花卉・苗生産部でコショウ苗を増殖中です。
増殖中のコショウ苗
小さな株ですが、節(せつ)から付着根が伸びてきました。

コショウは蔓性植物ですが、フジやブドウのような巻き付き型の蔓を伸ばす訳ではなく、キヅタやツタと同じように付着根を伸ばして、他の樹木などに体を固定させてよじ登っていく登攀型の植物です。

これからは、地域資源や気候などの特徴を活かした施設園芸生産による特産品化(差別化)がさらに広がって行くのではないかと思います。近い将来、東北の産地から生のグリーンペッパーを出荷できるよう準備を進めています。



  (渡辺均)

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2015年2月13日金曜日

薬用植物の播種・挿し芽・株分け


本日の実習は、薬用植物の播種や挿し芽、株分けを行いました。

薬用植物は、それ自体が「くすり」となるものや、漢方薬や医薬品となる化合物の製造原料となるものなど、人々の健康に大きな役割を果たしています。


薬用植物の生産は、その多くが野生植物の採取に頼っているのが現状です。

もちろん、伝統的な栽培方法によって生産されている種もありますが、その栽培技術の確立や科学的検証が求められています


本日は、その薬用植物の播種や挿し芽、株分けを行いました。

キキョウ科 ツリガネニンジン (Adenophora triphylla var. japonica)

キク科 クソニンジン (Artemisia annuua)

キク科 オオヨモギ (Artemisia vulgaris)

キク科 オケラ (Atractylodes japonica)

シソ科 ケイガイ (Schizonepeta tenuifolia)

シソ科 メハジキ (Leonurus japonicus)

シソ科 ハッカ (Mentha arvensis var. piperascens)

セリ科 ミシマサイコ (Bupleurum falcatum)

セリ科 トウスケボウフウ (Saposhnikovia divaricata)

ナス科 ケチョウセンアサガオ (Datura inoxia)

ナス科 ヒヨドリジョウゴ (Solanum lyratum)

ナデシコ科 サボンソウ (Saponaria officinalis)

ヒメハギ科 イトヒメハギ (Polygala tenuifolia)

マメ科 キバナオウギ (Astragalus membranaceus)


・・・等々、まだまだやりました ()

これらの植物の形態的・生態的情報や生薬情報は、データベースとして確立されているようです。

トウスケボウソウの種子をセルへ播いたもの

ヒヨドリジョウゴの親株


↑をセルに挿したもの

これらを温室ハウスや閉鎖型発芽室にて育苗し、他の花卉園芸植物と同じように発根・定着させます。

立派な生薬に育つ日が楽しみです。


(学生: 修士1年 斎藤)

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2015年2月12日木曜日

シメの実習

先週水曜日は、別科2年生の最後の実習でした。

メニューは、マリーゴールドの播種。


マリーゴールドは種子が大きく扱いやすいだけでなく、
栽培が容易で、開花までの期間も短いため、
入学してすぐの実習に、ほぼ毎年取り入れられています。

意図せずシメの実習に相応しいメニューだったかな?






















細長い種子は発根してくる方向が決まっており、
ポットの中心に子葉が展開してくるよう
しっかり位置を合わせて置いていきます。




これまでの実習を思い出しながら、一粒づつ丁寧に。

















マリーゴールドは何科何属だったか?
どんな種子が良い種子なのか?
種子を置く深さはどのくらいか?
なぜこの時期に、ポットに直播きをするのか?
どうのようなところに、いつ頃出荷されるのか?
覆土は?
灌水は?
温度は?

様々な質問や意見が出てくるのは、
実習で得た知識や技術が身についているから。

卒業後も様々な進路を歩む別科生ですが、
授業や実習の中で学んだことを
どこかで活かしてもらえたらなと思います。

少ない人数ながらも励まし合いながらやってきた2年生が
卒業してしまうと、少し寂しくなりますが、、、
また、頑張る姿を見せに来てくれることでしょう。

2年間お疲れ様でした!





・・・とは言っても終わったのは、まだ実習と授業だけ。
来週の研究発表まで頑張れ~!!





(池田)



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2015年2月9日月曜日

小さなポット苗

寒い日が続いておりますが、花卉・苗生産部では春に向けて、セル苗、ポット苗、鉢花を増産中です。ベンチの空きスペースが日々埋まっています。
さて、昨年10月後半のブログで大きなセル苗の話題を書きましたが、今回は「小さなポット苗」のお話です。
「大きなセル苗」の内容は、柏市の小中学校を対象に市内の企業が学校給食の食べ残しを堆肥化し、その用土を使って生徒さんが自分たちで植栽のデザインを考えながらプランターに花を植え、その成長を観察し、校内を花で飾るというプロジェクトです。市販のポット苗では、完成品のため成長の過程を観察することができないこと、苗単価が高く使用できる苗数に限度があることから大きめのセルトレイを使用して配布しています。

「小さなポット苗」は?
こちらは東京都葛飾区のプロジェクトです。葛飾区では地域住民のボランティア活動が活発で、住民が参加した公園等の緑化活動が盛んに行なわれています。100を超える団体が目的は様々ですが、緑化を通じてご自分たちの街づくりを考えています。その活動に必要なのが「小さなポット苗」なのです。市販のポット苗では、単価が高いため予算的に充分な苗を確保することが出来ず、またポット苗の根鉢がまわり過ぎているものが多く、花壇への植え付け後の活着が悪く、どうしてもその後の管理が上手くできないようです。

:2.5号ポット 右:3号ポット

そこで、花卉・苗生産部では通常流通しているポットサイズよりひと回り小さな2.5号ポット(7.5㎝ポット)にセル苗を植え付け、第1花の咲き始めるころに出荷するようにしています。そうすると、根鉢もそれほど回っていないため、定植後の苗の水管理も容易になりその後の活着も良いようです。
2.5号ポットに植えられた花苗


数か月前に苗の発注の連絡を貰い、現在はパンジー、ビオラ、キンギョソウ、キンセンカ、マーガレット、クリサンセマム・ノースポールなどを生産しています。

ユーザーの様々なニーズに対応できるようになれば、既存の流通形態に捉われないポット苗生産の方法もあるのではないでしょうか。


  (渡辺均)

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