2015年6月30日火曜日

ニチニチソウのスペーシングとクチナシの出荷

早いもので6月も今日で終わりですね。今年も半分が終わってしまいました・・・。

今回の実習の前半では、ニチニチソウのスペーシングを行ないました。1トレイに20ポット入れられていたものをその半分の10ポットにして株間を広げ、株元にまで光が当たり、ボリュームのある苗に仕上げるために「ちどり」に並べていきます。どこかで反対に並べてしまって、気が付いたらベンチの半分くらいトレイを入れ替えなければならないことにも・・・。

こちらがスペーシング前。


間に空のトレイを並べてベンチ上にスペースを作り、ポットを広げて並べていきます。



実習の後半は、クチナシのポット苗の出荷を行ないました。このクチナシの苗木は薬用(生薬の山梔子)として栽培する目的で愛媛県へ発送します。そのため、ダンボールに詰めて宅配便で発送します。花の実習でダンボールの組み立て?と思われてしまいそうですが・・・。 最初にハウス内で灌水を済ませ、作業棟に移動し、枯れた下葉を取り除きます。



ダンボールを組み立て、トレイを中敷きの中に入れ、ダンボール内で2段積みにして、荷崩れや荷傷みがしないように梱包します。


今回はダンボールで16箱、640ポットを発送しました。このような実習もやってみなければわからないこともあるようです。ほとんどの学生さんは消費者側の立場ですから、このような経験から少しでも作り手側の立場や思いを理解して貰えればと思います。



  (渡辺均)

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2015年6月29日月曜日

播くタネをつくる ~採種と播種~

  61日に3年生の実習でペチュニアの交配実習を行ないました。その内容は62日のブログでご紹介しましたが、今日はその続きです。62日のブログは、下記をご参照下さい。
http://naeseisan2.blogspot.jp/2015/06/blog-post_2.html

交配してからおよそ20日が過ぎ、種子を採ることができました。週1回しかない実習ですべての組み合わせの蒴果を採ることはできませんでした。採種を行なうことができました。

はじめに採った種子を入れる薬包紙の折り方を解説しました。さながら折り紙教室のようでしたが・・・。


その折った薬包紙の中に交配ラベルと収穫した蒴果を1果ずつ入れて保管します。

さらに殺菌剤で消毒・洗浄し・・・。

50ppmのジベレリン溶液を湿らせた濾紙上に種子を置きます。


最後に乾燥を防ぐためにシャーレの合わせ部分をパラフィルムで閉じ、交配組み合わせを蓋に明記して25℃の発芽室内で管理します。

いつもの実習のようにセルトレイに播種するのではなく、シャーレに播くのはその種子が貴重であることの他に、交配種子は休眠が深かったり、発芽の揃いが悪かったり、種子にカビが入ったりすることが多く、シャーレから種子を取り出して再度洗浄したり、シャーレごと冷蔵庫内で低温処理をして発芽を促したりすることができるためです。発芽したら11本ピンセットで救い上げ、セルトレイに植え付けます。

今後の実習でポット上げ 選抜 を行ないます。9月の後半にはどんな組み合わせで、どんな花が咲くか分かります。楽しみですね。


   (渡辺均)

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2015年6月26日金曜日

薬草園の支柱立て

こんにちは,花卉研修士2年斎藤です。
梅雨に入りジメジメした天気が続いています。この季節を越えると,夏本番を迎え海水浴シーズンになりますね!
しかし,施設園芸においては,ハウス内の高温化に頭を悩ます季節でもあります。
そこで今夏,千葉大学花卉・苗生産部では,ハウスに「パット&ファン冷房」を導入しました。

「温室の片側にパット、反対側にファンを取りつけます。パットを水で湿らせて反対側のファンで空気を吸込むことで、水が蒸発しまわりの空気の熱を奪い、冷やされた空気が温室内に供給さる」という仕組みになっています。

 新設されたパット&ファン(パット側)

 新設されたパット&ファン(ファン側)

ハウス内の様子(冷気が流れています)


さらに,苗生産部では現在、播種機「ノズルシーダー」も活躍しています。


苗生産部には大量少品種生産向けのドラムシーダーがありますが,このノズルシーダーは少量多品種生産に適しているとされており、ドラムシーダーでは播種することが困難な大きな種子の生産に活用しています。

さらなる品質向上・効率的生産のため,これらの機器たちは存分に活躍してくれることでしょう・・・!!


さて,本日の実習は,薬草園の大輪ヒマワリ,アズキ,ゴーヤーの支柱立てを行いました。

これらは,薬草園の奥のマルチングされた畑に栽培されています。支柱はフィールド内の雑木林の竹を伐採し加工したものを用いました。

ヒマワリ (Helianthus annus Linn.) キク科
生薬名:向日葵子(ヒュウガアオイシ)
種子から葉・根・茎まで薬草として用いられます。

ササゲ(Vigna ungulculata (L.) Walp.) マメ科,品種和名 クロアズキ
根・葉・果皮・種子が薬用として使われます。

ツルレイシ (Momordica Charantia Linn.) ウリ科,別名ゴーヤー
果実には,解熱・解毒・下痢作用があります。
薬草園では,緑のカーテンとしても役に立ってもらいます。


まだ薬草園をご覧になっていない方は,ぜひ千葉大学環境健康フィールド科学センターの診療所裏の薬草園へお越しください。

修士2年 斎藤

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2015年6月23日火曜日

シクラメン最後の一花

花卉・苗生産部では、園芸学部の学生さんの実習教材として、毎年シクラメンを2000鉢程度栽培しています。また、その生産物は12月の最初の土曜日にシクラメン祭で販売しています。今年は125日の予定です。昨年のシクラメン祭の様子は下記をご参照下さい。
http://naeseisan2.blogspot.jp/2014/12/blog-post_8.html

昨年、花卉・苗生産部で生産したシクラメンを先週の福島県会津の出張先で再開しました! 

お話によると昨年12月から今まで、休むことなく咲き続けてくれたそうです。もちろん、その方の栽培管理がお上手だったということは言うまでもありませんが、ここまで咲き続けたのは初めてとおっしゃって下さいました。千葉大のシクラメンは丈夫で長持ちとのご評価を頂き、嬉しい限りです。そのシクラメンも7か月間咲き続け、これが最後の一花。 


株もかなり衰弱してきました。「良く頑張った!」とスペシャルな液肥でも与えてやりたいところです。夏を越し、また次のシーズンには花を着けてくれることでしょう。

今年のシクラメンも皆さんに喜んで頂けるようハウス内で順調に生育しています。



  (渡辺均)

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2015年6月22日月曜日

コショウの出芽

コショウPiper nigrum L.)を東北で栽培する試みを以前のブログで書きましたが、今日はその続きです。
以前のブログは下記をご参照下さい。
http://naeseisan2.blogspot.jp/2015/02/blog-post_16.html

先月、コショウの播種を行ないました。赤く完熟したコショウ(赤コショウ)の果実をよく洗い、果肉を完全に取り除き、鹿沼土の細粒に播種しました。25℃の発芽室内で管理したところ、播種からおよそ1カ月が経過し、芽が出てきました。


播種後50日が経過し、子葉が見えてきました。


出芽の様子が目玉おやじのようにも見えますね。


生育は非常に緩慢ですが、いっせいに出芽が始まりました。この小さな1粒のコショウが大きく生長し、グリーンペッパーが東北で実る日を夢見て栽培を継続します。




  (渡辺均)

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2015年6月19日金曜日

キハダ(薬木)の播種

今回の実習ではキハダの播種を行いました。

キハダ(Phellodendron amurense Ruprecht):ミカン科キハダ属
日本全域に分布し、樹皮を乾燥したものを「黄柏(黄檗):オウバク」と呼び、生薬として利用されます。黄柏はアルカロイドを含有し、効能として苦味健胃・整腸作用・抗菌作用があります。そのため漢方処方では、胃腸炎・腹痛・黄疸・下痢などに用いられています。また、捻挫・打撲傷・切り傷・神経痛・リウマチなどに外用薬としても用いられており、民間薬としても重要な生薬の一つとされています。
(参考図書:モノグラフ 生薬の薬効・薬理)

こちらがキハダの果実(乾燥状態)です。


果皮が固いため、写真のようなものでつぶし中の種子を取り出します。


果皮やつぶれてしまった種子などを取り除き、赤玉土に播種しました。



キハダは樹齢1213年以上の株から果実(種皮)を収穫するため、実際に利用するまで大変長い時間がかかります。実習等で普段扱っている植物は播種後数か月、長くても数年で開花・出荷できるので、栽培期間からもキハダ(薬木)生産の大変さが想像できます。生薬の国産化が求められている中、このような問題にどのように対応していくのか興味があるので今後勉強していきたいです。


(修士2年 小林)

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2015年6月18日木曜日

キンギョソウ

関東も梅雨に差し掛かり
あんなに暑かった5月末からするとかなり涼しく感じています。



この涼しさのおかげか、一昨年の秋から2年近く
花壇に植えっぱなしになっていたキンギョソウがまだ咲いています。




















高温多湿を苦手とするキンギョソウは、夏前に枯れてしまうことが多いため
日本では一年草扱いされていますが、本来は多年草。
手入れもほとんどされない花壇で、
雨にも負けず風にも負けず雪にも夏の暑さにも負けず・・・
今年も長期間花を咲かせてくれました。

最近結実したので、観察してみると果実に穴が。





















・・・じっと見ているとなんだか不気味な感じがします。

写真を逆さにしてみると





















小さな骸骨のようにしか見えません(怖い!)

でももっとよくよく見てみると、骸骨の目や口に見える部分から
小さな種子がこぼれているのが分かります。





















赤の矢印が種子です。とても小さいです。
骸骨部分にたくさん入っているようですね。



キンギョソウを秋にも楽しみたい場合は、
花後に切り戻し、風通しの良い涼しい場所で管理をしてみてください。
前出のとおり、過湿には弱いので灌水はしっかり土が乾いてから。
根が腐りやすいので、予防として殺菌剤を処理するのもおススメです。
また、濃い肥料も根を傷める原因となりますので
液肥を与える場合には、薄めが良いようです。



秋と来春にも元気に咲いてくれるよう、
花壇もたまには手入れしなくては~・・・




(池田)


環境健康フィールド科学センター内「味楽来(みらくる)」では、
農場生産品を販売しております。
詳しくはこちら→http://www.fc.chiba-u.jp/shop/150610.pdf

本日の花の販売品目は

・ベゴニア
・マリーゴールド
・モンステラ
・ミニバラ
・ガザニア
・マツバボタン

です。
ぜひお立ち寄りください。
営業時間13:00~16:00

(長嶋)

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2015年6月16日火曜日

アリストロキアが開花しました

花卉園芸必修1000属検定ハウス内で2種のアリストロキア(Aristolochia)が開花しました。アリストロキアはウマノスズクサ科のつる性の多年草もしくは低木です。日本にもウマノスズクサなど数種が自生しています。何といってもこの植物の特徴は花ですね。形と色が特徴的です。しかし実際は、花弁はなく、がくが発達して花弁のように見えているだけですが・・・。以前、ある学生がこの花を見てボロ雑巾と言っていましたが・・・。


A. elegans M. T. Mast. 花の大きさ(縦径)は710㎝程度、パイプカズラの和名がつけられています。比較的花も多く着けます。



こちらがボロ雑巾?ではなく、A. giganntea Mart. et Zucc. です。花の大きさ(縦径)は20㎝程度、蕾の形も特徴的です。


開花前日の蕾の様子



A. giganntea は植物物園の熱帯温室でも良く見かける植物です。先日、熱川のバナナワニ園でも咲いていました。こちらの花は約25㎝以上ありました。


日本に自生しているウマノスズクサ(A. debilis Sieb. et Zucc.)の種子は生薬としても利用されています。また、ジャコウアゲハの食草としても知られており、自然保護団体やアゲハの愛好家が各地で保護活動を行なっています。

ちなみにアリストロキアは、花卉園芸必修1000属検定B級リストに掲載されている植物です。花が特徴的ですので、一度見たら忘れませんね。この植物は、熱帯植物園などで見られますが、A. elegans(パイプカズラ)は最低気温が5℃以上あれば冬越しが可能です。種子からでも挿し木からでも繁殖可能な比較的栽培しやすい植物です。夏花壇用にも面白い素材だと思います。

ちなみに、1000属ハウスにはもう1種栽培されていますが、花をなかなか着けないので今のところ名無しです。

   (渡辺均)

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