こんにちは。
以前のブログで一度紹介したことがありましたが、今日は私が扱っている実験植物の『ダンギク』についてお話したいと思います。
ダンギクは日本の西九州に自生が見られますが、その自生地ごとに草丈や葉の形、花の数や大きさなど、様々な違いを持っていることがわかりました。
例えばこちら、長崎県平戸島は西の五島灘を臨む岩山に自生しているダンギクは、岩肌を這うように広がる矮性の特徴を有しています。
この特徴は、強い潮風によって茎が折れてしまわないような低い株が有利となって生き残ってきた結果かもしれません。
反対に、比較的ダンギクの自生が多い長崎県対馬の道路沿いに自生するダンギクは、高い草丈を有しています。
内地のゆるやかな風によって揺られるだけで、比較的穏やかな生育環境ではありますが、そのような場所は他の植物も生育できるため、低い草丈では埋もれてしまい、十分な光を得ることができなくなってしまいます。
そのため、茎を長く伸ばした草丈の高い個体が有利に残ってきたのかもしれませんね。
今ある姿から、かつて生じたことを想像する。
植物がどのようにして環境に適応して生き残ってきたのかを考えていると、あらためて植物が‘いきもの’であることを確認します。
(学生:博士1年 安藤)
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