2015年1月29日木曜日

高圧ナトリウムランプ

おはようございます。


1月も残すところあとわずかですが、
花卉・苗生産部では、5月の母の日出荷用鉢花の鉢上げがようやく終わりました。



下の写真は3月末に出荷する
ペチュニア‘さくらさくら’‘おゆきちゃん’‘桃色吐息’の3色ミックス鉢です。







満開時は下の写真のようになります。



・・・が、ペチュニアにとってこの季節はまだまだ寒く、
普通に栽培していると、あまり生育が進みません。




3月まであと2か月、急がないと・・・






そこで、「移動式高圧ナトリウムランプ」の登場です。

以前はトンネルや工事現場などに使用されていましたが、
最近はLEDライトにシェアを奪われているそうです。






しかし、暑いところが大好きなペチュニアにとっては、
熱を放出しないLEDよりも、暖かいナトリウムランプの方が効果的です。

高圧ナトリウムランプは冬でも、夏の曇りの日ぐらいの照度があり、
その発熱量で、照射直下の気温も少し上昇します。


今年は雨が多いですが、雨天や曇天の時こそ、
このナトリウムランプは効果を発揮します。







というわけで、これから3月まで、
早朝と雨天・曇天時は黄色い光でハウスの中を暖かく照らしていきます。

(長嶋)


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2015年1月26日月曜日

‘ミンティア パープル’ その後の生育

ミンティアはシソ科のHesperozygis(ヘスペロジギス)といいます。‘ミンティア’という品種名でサントリーフラワーズから販売され、例年、ゴールデンウイーク頃にポット苗でホームセンターなどで販売されています。

昨年秋に花卉・苗生産部で‘ミンティア パープル’を生産し、TVショッピングで販売しました。その時は大変好評で、短時間で完売になりました。

ミンティアの特徴は、常緑の小低木で葉に光沢があり、春から秋にかけて赤紫色の小花を多数着けます。さらに、葉に触れるとミントのような香りがし、まさにその主要成分は、Menthoned-Pulegoneなど、ミントとほぼ同じ成分が含まれています。

花も葉もさらに香りも楽しめるとてもお得な植物です。また、剪定をしなくても自然と樹形がまとまるので、それほど手間をかけなくても栽培することができます。


‘ミンティア パープル’の花


出荷してから数カ月が経過し、花卉・苗生産部のハウス内で栽培している‘ミンティア’は、こんなに大きくなりました!



細かな枝が伸びて樹形がこんもりと丸くなるのが特徴です。まるでアフロヘアのようですね。


 斜め上から見ると枝が繁茂し、植えられている鉢(7号鉢)がほとんど見えないくらいのボリュームになっています。株の直径は40㎝~50㎝になっています。


横から見ると鉢の上部まで枝で覆われています。


花の着いていない時期は観葉植物として楽しんで頂き、春にはこの枝先にたくさんの花を着けますので、また違った楽しみ方ができますね。

ひとつだけ難点があるとすれば、水やりのポイントがつかみにくい植物です。極端に鉢土を乾かしてしまうと落葉してしまいます。そのため、鉢土の表面を触って、乾いているようでしたらたっぷり灌水して下さい。それ以外の栽培管理はとても簡単ですので、もっと皆さんに使って頂きたい植物の一つです。



  (渡辺均)

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2015年1月23日金曜日

過去最高に「甘い」実習

本日の実習は、このサトウキビの増殖です。
 温室で管理していた鉢ではありますが、多くの葉が褐色になっており、寒さにより休眠が始まっています。

 繁殖方法ですが、休眠中の常緑樹や落葉樹と同様に、節挿し(休眠挿し)を行い、温度の上昇とともに発根・出芽を促していきます。
樹木等と異なり、イネ科草本は芽が露出していませんが、葉鞘を取り除くと、写真の様に芽が出てきました。
この芽と、発根・出芽に必要な養分の確保のため、節の下部を残し、トレーに挿します。
この時、芽が土壌に隠れるようにするのがポイントです。

今回は、計640の節挿しを行いました。


1か月もすると、芽が動き出し、写真のように成長していくはずです。
(写真は、芽が既に出芽している挿し穂の様子です。)

 サトウキビの味は、ミルクキャンディーとスイカを足して2で割ったような印象でした。
この甘さは、茎に蓄積したショ糖によるもので、サトウダイコンも同様に、茎にショ糖を蓄積します。ちなみにサツマイモはデンプンを根に蓄積したもので、ジャガイモは茎に蓄積したものになります。
様々な植物の違いを人間が理解し、美味しく頂いているわけですね。

サトウキビの生の味は、実際に食べてみなくては分かりません。
さて、本年の夏は、一家に一鉢サトウキビはいかがでしょうか?


(学生:黒沼)

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2015年1月21日水曜日

温室に内張を

寒い日が続いています。


温室の暖房機もフル稼働です。


春物の早春出荷や、熱帯性・亜熱帯性の植物の栽培には、この時期の暖房は欠かせません。

昨日は、学生さんたちと、内張を設置しました。
天井、側面、妻面の被覆資材を2層構造にして、暖房効率を高めます。


この温室は、学生さんたちが、今夏建てたもの。
http://naeseisan2.blogspot.jp/2014/04/blog-post_4.html

ビニールは一層だけでした。
みんな作業に必死で、作業中の写真を撮るのを忘れましたが...

4人、3時間ほどで2棟分の作業が完了しました。
なかなかハードな作業ですが、もうみんな手慣れたものです。

(ちなみに、4人が温室ビニールと闘っている間に、他の学生さんたちは、めっちゃ「甘ーい」作業をしていました。明日のブログをお楽しみに!)


これだけで、15~20%、暖房効率が上がるという話があります。
最近は少しずつ重油や灯油も安くなってきていますが、それでも冬の暖房にかかる燃油代はバカになりません。

いろいろ工夫しながら、寒い冬を乗り切っていきます。




(金谷)



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2015年1月19日月曜日

竹下大学さん来たる!

私が担当している園芸学科2年生の園芸植物生産技術論に花卉研OBで花のブリーダーとして世界的に有名な竹下大学さんをお招きしてお話をして頂きました。


「園芸植物生産技術論~植物を知ることは□だ!~」というタイトルでお話下さいました。花の育種の技術的なお話というよりは、学生さん一人一人が自分を客観視し、園芸学部で何を学び、それらをどう自分のものにして社会へ出て行くのか、という内容でした。現在は、企業で若手社員の教育をなさっているということで、学生さんにとっては通常の講義では聴くことのできないとても意義深い内容だったと思います。園芸の芸の元々の文字の意味を説明して頂きましたが、在学中に少しでも芸の中の芸を磨いて欲しいとも思いました。





  (渡辺均)

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2015年1月17日土曜日

花壇の土壌改良

昨年度、柏の葉キャンパスの正門入ってすぐ左に見えるジャパンフラワーセレクション(JFS)のトライアル花壇の土の入替え作業をこのブログで紹介しました。

これはキク科植物など、同じ種の植物を同じ土壌に植え続けるために起こる連作障害を避けるためのものでした。

本日は春に備えて、『たい肥』のすきこみ作業を行いました。

たい肥の取り出し

すき込み作業

まだ寒さの厳しい中での作業でしたが、春先までには土壌も熟成してくれることでしょう。


また、学生で管理を行っている千属ハウスに隣接した屋外ベンチにある、萎れたパイナップルリリーの刈取りと、宿根草の枯れた地上部や、冬至芽を残して剪定を行いました。

寒さに萎れてしまったパイナップルリリー

開花時のパイナップルリリー(夏期)

球根部分を残して、寒さで萎れた葉を切りとります。

地上部の枯れた部分を剪定

剪定後に残った葉

地上部がほとんどなくなると、次の年にちゃんと出てくるのか少し不安になりますが、変に高い部分から芽吹かれても草姿が悪くなってしまうので、強めに剪定を行いました。

(学生:修士1年 土田)

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2015年1月13日火曜日

春に向けて


寒い日が続きます。

今頃のホームセンターやガーデンセンターの店頭は、こんな感じ。
(年末の様子ですが...)




おめでたい感じはしますが、やっぱりなんだか、春に比べると地味で寂しい感じもします。

それでも、生産の現場では、春に向けて、準備が着々と進んでいます。
花卉・苗生産部でも...




春の訪れを、今や遅しと待ち構えています。

(金谷)



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2015年1月12日月曜日

ペチュニアの下葉取り


先週の実習ではペチュニアの下葉取りを行ないました。

あまり聞きなれない実習内容かも知れませんが、この作業の目的は、挿し芽用のペチュニアの親株からできるだけ多くの挿し穂を取るために行います。

親株は挿し穂を取るまでに、摘芯(ピンチ)を繰り返し、分枝を促します。

もちろん、花を咲かせないように低温で短日条件下で管理します。

また、伸びてきた芽が葉の影になってしまうと軟弱な芽になってしまうため、大きな葉や株元の下葉を早い段階で取り除き、株元にまで十分に光を当て、良い芽が伸びてくるように管理をします。

ペチュニアの親株


下葉取りの作業


下葉を取り除く前


 下葉を取り除いた後


このような作業を行なうと、生育の揃った良い挿し穂を1回に1ポット当り30本以上取ることが出来ます。

このようにして管理された親株から挿し穂が取られ、セルトレイに挿し芽が行なわれ、さらにポットに上げられたものが3月末から5月にかけてホームセンターや小売店に並びます。

‘さくらさくら’などのポット苗も購入したら摘芯(ピンチ)し、株元の大きな葉を取り除いてから定植すると、その後の分枝数が多くなり花数も多くなります。その際には十分な肥料も忘れずに!



  (渡辺均)

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2015年1月9日金曜日

1000属ハウス探検

遅くなりましたが…
皆様新年あけましておめでとうございます!

20151発目の学生からのブログです!

今回は,年明けの1000属ハウスを少し探検したいと思います!


新年の朝日を浴びて,ハウス内の植物たちも生き生きしているように感じます!


ただ中を見てみると少しばかり季節感が…!?


まずは年末から園芸店でよく見かける…


シンビジウム(Cymbidium ラン科)がきれいに咲き誇っています。

ところが,ふと振り返ってみると…


こちらではブーゲンビレア(Bougainvillea オシロイバナ科)が元気に咲きそろっています!

ブーゲンビレアというと沖縄などで見かけ,夏場の花というイメージがありますね。

一方でこちらを見ると,どうやら充分な温度があれば,開花に日長は関係ないようですね! 実学ですね。

ちなみに1000属ハウスは夜間は12℃に加温,日中は晴れの日では20℃程度まで気温が上昇しています。


続いて,その隣に目を向けると…


なんと稲の穂がたわわに実っております!

こちらは,園芸種の銅葉のイネ(Oryza イネ科)でした。

実った種を土に撒くと,どんな個体が出てくるでしょうか?

近年の品種は「F1」と呼ばれる,特定の親を掛け合わせることで生み出される,雑種第1代の個体が主流になりつつあります。

F1は雑種強勢が働くことで魅力あるものがつくれたり,F1から種子を取って発芽させても親とは全く異なる形質が出ることから,企業利益を守りやすいなど様々な利点があります。

裏を返せば,種子を撒くとさまざまな個体が出てくるということですね!

この実った種子からどんな個体が出てくるのか楽しみです!


そしてさらにハウスの奥に進むと…


このような赤い果実を発見しました。

何の果実でしょうか??


正解は…

姫月下美人(Epiphyllum pmilim サボテン科)の果実です。


姫月下美人は面白いことに,サボテンなのに種を播くとまず双葉が出て,その後に続く本葉が馴染みのあるサボテン感のある形になるようです。

ドラゴンフルーツなども同じみたいですね。


こちらも楽しみなので播種してみました!


どのように発芽するのかを見るためにシャーレに播種しました。

機会があれば今後のブログで紹介したいと思います。

※写真は播種後2日目の様子です。
早くも多くの種子が動き出しました。


長くなりましたが、1000属ハウスの探検はここで終わりです!

今後も1000属ハウスの植物たちを見て,面白いものがあれば紹介していきたいと思います。

(修士1年 土屋慶輔)



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