千葉大学園芸学部園芸別科の最後の修了生を送り出して早いもので4年が経ちました。大学には別科生(在学生)はいなくなってしまいましたが、花卉専攻(花組)修了生は全国各地で活躍中です。
園芸別科には、花卉生産者の子弟も多く在学していましたが、修了した今では立派な生産者の社長さんという方も数多くいらっしゃいます。
先週は、そんな一人でもある山形県内で切り花生産を行なっている花組修了生の細谷さん(細谷園芸)を訪ねました。ラナンキュラスやトルコギキョウ、カランコエなどを生産しています。
最寄り駅まで迎えに来て下さいましたが、「僕も、もうすぐ40歳ですよ~」と言いながら、はにかんだ笑顔は20年前の‘当時’のままでした。
時期的にトルコギキョウやラナンキュラスの収穫時期ではありませんでしたが、現在はケイトウやマリーゴールドを収穫されていました。
細谷さん(ケイトウのハウス)
切り花用のマリーゴールド
細谷さんは、自ら品種改良も積極的に行っておりました。出荷しているラナンキュラスは十数年をかけてすべてオリジナル品種にされたそうです。また、ケイトウの品種改良にも取り組まれ、鶏冠のとても微細なものや、鶏冠がありながらも花が小さなスプレータイプのものなど、なかなか面白い育種を行なっていらっしゃいました。
いろいろな品目について、次々と育種目標や商品のアイデアが湧いてくるようです。 一方で、花卉生産の現場でも、生産資材費や燃料費の高騰、物流コストの上昇などにより、経営の厳しさは他の業界と変わりません。そのような状況を早期に察知し、時間はかかってもオリジナル品種の育成に取り組むことで、高単価の切り花生産を目指し、その差別化と経営の安定化を考えられているようです。
(渡辺 均)
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