先月末に都内の大田市場にある(株)フラワーオークションジャパンで2022年度第56回全国花き品評会シクラメン部門が開催され、審査委員として参加してきました。品評会は、各地のシクラメン生産者から出品された選りすぐりの400点ほどのシクラメンを審査し、農林水産大臣賞をはじめ、各賞の受賞作品を決定するものです。
出品された鉢花は、どれも見事な仕上がりのものばかりで、ここまで仕立て上げられた生産者のご苦労が目に浮かびます。特に近年の夏の猛暑は、涼しい環境を好むシクラメンにとっては、生育に大きなダメージを与えてしまいます。そのため、施肥などの栽培管理が難しく、生育のコントロールが上手く行かないと葉が大きくなり過ぎたり、葉柄が伸び過ぎて株に締まりが無くなったりと、苦労が絶えません。
出品されたシクラメン
農林水産大臣賞のシクラメン
今年はピンク系の出品が多かったようですが、農林水産大臣賞は赤花の‘ヨハンシュトラウス’でした。群馬県館林市周辺の生産者(石川英司さん)の作品です。画像のように6号鉢サイズで見事な株の締まり、ボリュームと花数ですね。
この館林市周辺地域は、ご存知のとおり日本有数の夏の暑い場所として知られていますが、そこで栽培管理を工夫され、見事大臣賞を受賞されました。2014年には、当研究室の同窓会組織花葉会(かようかい)のサマーセミナーで、「猛暑の館林でシクラメン品質ナンバーワンを目指して~第二世代によるユニークな活動~」という内容で地域のシクラメン若手生産者と一緒にその取り組みをお話して頂きました。その8年後に見事にナンバーワンになられました! 嬉しいですね~。
2014年サマーセミナー
http://www.kayokai.net/seminar/2014seminar.html
シクラメンの鉢花を選ぶ際は、葉と蕾の数が多く、良く締まった株を選び、購入後は日の当たる涼しい場所で管理をすれば、少なくても数ヶ月は楽しませてくれます。クリスマスやお正月に室内を彩る鉢花として、シクラメンはいかがですか?
(渡辺 均)
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