何回かブログでご紹介をしましたが、遡ること10年前、広告代理店のご依頼で大型小売店のイベント用に栽培したキャベツ`札幌大球’が露地圃場に残っているのですが、今年で10年目を迎えました。
10年前の結球した鉢植えのキャベツ`札幌大球’ (1年目)
複数株育てていましたので、その当時のセンター祭で結球したキャベツを1鉢2000円で販売したところ、「そこのスーパーなら1玉250円で売ってるわよ!」と冷たく言われたのを今でも良く覚えています(笑)。キャベツは食べるもの!
ごもっともです。
あれから結球することもなく、露地圃場の片隅で毎年花を咲かせ、冬にはヒヨドリの襲撃に合い丸坊主になり、春にはアオムシに喰われながらもここまで何とか生き残りました。
10年目のキャベツ`札幌大球’
唯一、特別に世話をしていることといえば、咲き終わった花を摘み取り、種子をつけさせないようにしていること。多くのアブラナ科の植物は、一回結実性の植物であるため、種子をつけてしまうと枯死してしまいます。
最初は踊りハボタンのように、踊り結球キャベツができないだろうかと思いましたが、できたのは、茎の先に緑色の葉をつける結球しない踊りハボタンのようなあまり踊っていないキャベツ???
結球したキャベツは、あるとき地割れのように二つに裂け、結球していた葉は臭気を放ちながら小さな虫たちの餌食になりながら朽ち果て、その間に地割れの中心からにょきにょきと花茎を伸ばし黄色いアブラナと同じような花を咲かせます。その姿は、自らの体を犠牲にしても子孫を残す生命力すら感じさせました。
キャベツの開花株
一方で種子をつけることができないため、一生を終えられずに10年目を迎えたキャベツは中途半端に生き長らえてきたとも言えます。もう、1鉢2000円の価値を十分に発揮してくれましたので、そろそろ種子をつけさせ、このキャベツの一生を全うさせてやろうかとも思っていますが、そのスイッチを入れるのが自分の裁量にかかっていると思うと複雑な心境です。
(渡辺 均)
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