12月に入り、今年も残すところあと1か月になりました。
クリスマスも近づき、クリスマスの装飾やイルミネーションを見る機会が多くなりましたね。
「花の香りに酔い痴れて」シリーズ、第25回の今回は、クリスマスの代名詞ヒイラギをご紹介いたします。
千葉大学環境健康フィールド科学センターの高度化セル成型苗生産利用システム付近には、斑入りのヒイラギが植えられています。
ヒイラギOsmanthus heterophyllusは、モクセイ科モクセイ属に分類される、常緑性の小高木(樹高4~8m)です。
日本では、福島県以西の本州、四国、九州及び沖縄県の山地に自生しています。
ヒイラギの葉(幼形)には、鋭い鋸歯(周縁部にあるのこぎりのようなギザギザのこと)があり、触れると非常に痛いため、ひりひり痛むという意味の「疼ぐ(ひいらぐ)」が転じて、「疼木」、「柊」という漢字が当てられています。
しかし、ヒイラギの老木の葉(成形)は全縁(葉の周縁部に鋸歯を持たないこと)で、楕円形をしています(以前、渡辺先生がご紹介してくださっています)。
しかし、皆様、ヒイラギの花をご覧になったことはあるでしょうか?
ヒイラギは、11月以降になると、葉の付け根に小さな白色の花を沢山咲かせます。
直径約5mmの花冠(花びらのこと)が4つに裂けて反り返っており、非常に長い雄しべを観察することができます。
そして、この花の付き方、どこかで見たことがあるような感じがしませんか?
そう、第22回でご紹介した「キンモクセイ」によく似ていませんか?
どちらも同じ、モクセイ科モクセイ属Osmanthusに分類される仲間です。
覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、ヒイラギとキンモクセイに共通する属名Osmanthus は、ラテン語のosme(匂う)+anthos(花)に由来しています。
つまり、ヒイラギも「匂う花」を咲かせるということですね。
ヒイラギの花の香りを嗅いでみると、キンモクセイほど強烈な匂いではなく、爽やかな香りが仄かに感じられます。
しかし、皆様、ご注意を。
クリスマスに使われるあの「ヒイラギ」は、本物のヒイラギではないことが多くあります。
クリスマスに使われるあの「ヒイラギ」は、モチノキ科モチノキ属に分類される、セイヨウヒイラギIlex aquifoliumです。
セイヨウヒイラギは初夏に花を咲かせ、冬に赤色の果実をつけますが、本物のヒイラギは6~7月に黒紫色の果実をつけます。
また、セイヨウヒイラギの葉が互生(葉が互い違いに付くこと)するのに対し、ヒイラギの葉は対生(葉が対になって付くこと)します。
しかし、Osmanthus に分類されないセイヨウヒイラギも、小さな白色の芳香性のある花を咲かせるというから、ややこしいですね。
「クリスマス・ホーリー」と呼ばれるセイヨウヒイラギだけではなく、今が旬のヒイラギの花をお庭で楽しむのも良いかもしれませんね。
皆様が、良いクリスマスをお過ごしできますように。
(学部4年:下重)
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