2025年5月12日月曜日

オタネニンジンの苗生産

昨日が母の日でしたね。今年も花卉・苗生産部では母の日向けの鉢花の出荷が行われました。学生さん、旧パートさんにもお手伝い頂いて無事完了しました。残念ながら私はあまり貢献できませんでしたが・・・。また、恒例になりましたが土曜日(10日)には、柏の葉キャンパス駅構内で鉢花の即売会も行ないました。

 

さて、今日の話題はオタネニンジンです。414日のブログにオタネニンジンのタネ播きのことを書きましたが、それから約1ヶ月が経過しました。

 

414日のブログ「春はタネ播き!~ オタネニンジンの播種 ~」は下記からご覧下さい。

https://naeseisan2.blogspot.com/2025/04/blog-post_14.html

 

1粒ずつ向きも揃えて等間隔に播種!(329日撮影)

 

 

それからおよそ1カ月が経過

 

1ヶ月が経過し、上の画像のように葉の展開が揃いました! 緑色の葉が隙間なくプランターを覆いました。 美しいですね! 

 

オタネニンジンの1年目は葉(複葉)が1枚(小葉3枚)しか展開しませんので、3ヶ月で休眠させ、早期に2年目に移行させます。2年目になると複葉を2枚(小葉35枚)展開させますので、1年目に比べて少なくても葉面積は倍以上になります。その分、根の肥大も一気に進みます。

来年の春には2年生苗の品質を評価し、一部をオタネニンジンの産地である福島県の畑に定植する予定です。これで、オタネニンジンの苗生産の量産化に目途がつくはずなのですが・・・・・。

 

 という目論見なのですが、オタネニンジンの早期育苗の実験を開始した頃、喜び勇んで得られた2年生苗を福島県の生産者のところに持って行き、春に植えて頂いたことがありました。ところが、その苗からは翌春まで、1年間芽を出すことはありませんでした。

 この現象を「芽休め」と言い、その原因は低温が足りず休眠打破が不十分だったことでした。その当時、生産者の方にはただ謝るばかりでした。1年間、芽の出ない畑(畝)を観察に行くのも気が重く、それ以上に生産者の方に申し訳なく・・・・・。

 翌年からは十分な低温に遭遇させることにより、「芽休め」する苗は無くなったのですが、苦い思い出です。

 

 この話には続きがあり、1年間芽を出さずに土の中でじっとしていた株ですが、本来、「留年」しているのであれば、3年目として葉を展開させるとばかり思っていたのですが、出芽した葉を見ると、しっかり4年目の株の姿になっていました!

 

 葉を展開させなくても土中で一年間休ませると芽の分化、株の生長が進むのか・・・・・? その原因は未だによく分かりませんが、今後の研究課題です。本来想定していた結果にならないこと、失敗からも大きな学びが得られました。アタマで分かっていることは、ほんの僅かであり、植物からいつも教えられることばかりです。

 

「植物に謙虚に向き合い、その小さな変化を感じ取り深く考えること」

 

 「お~い、ちょっと違うぞ~!」 オタネニンジンからそんな声が聞こえてこないよう、これからも植物と向き合っていきたいです。

 

 

(渡辺 均)

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