2018年8月1日水曜日

砂漠のスイカ


 台風の影響で久々の雨がやってきましたが、過ぎ去った後には息苦しいほどの熱気が残っています。
 冷房の効いた部屋との寒暖差にクラっときそうです。


 そんな夏にぴったりの、緑の縞々模様といえば…



 スイカですね!
 ちょっと小ぶりながら形もよく瑞々しさを感じます。




 …しかし、これを食べるのはダメ、絶対!




 見た目通りスイカの仲間であるこちらは、コロシントウリCitrullus colocynthisと呼ばれる砂漠に自生するウリ科の植物です。
 種小名のcolocynthis の意味は「おなかを活動させる」…

 うーん、嫌な予感が。



 …そう、この植物を食べてしまうと、猛烈な下痢に見舞われてしまうのです!

 水が何よりも大切な砂漠を歩く中でこの果実を見つけたとき、思わず水分を取ることができる!と勇んで食してしまうと、果実に含まれる苦味成分コロシンチンの苦さにやられ、さらに脱水症状に陥ってしまうという危険な果実なのです。


 ただそういった強力な作用を持つ植物というものは、得てして薬に用いられるものです。
 この植物も下剤、特に作用の強い峻下薬として利用されています。



 砂漠でも構わず横に長く伸びていくためか、植えられた範囲を飛び越えて伸びていきそうなほど生育も旺盛。

 日本国内ではあまり見かけないとは思いますが、皆様も見た目に騙されず、ちょっとつまんでみようなんて思わないようにお気を付けを。



(安藤匡哉)


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