2019年6月28日金曜日

花の香りに酔い痴れて 第14回 クチナシ・ヒメゲッカビジン・シクラメン

 こんにちは。学部4年の下重(しもじゅう)です。

 月日が流れるのも早いもので、2019年も半分が過ぎようとしています。
 1年の中間地点である6月は、芳香性を持つ花の開花が多く見られる月です。
 第14回の今回は、私が6月中に観察した、千葉大学環境健康フィールド科学センター内の芳香性を持つ花を咲かせる植物について、3品目ご紹介いたします。


【クチナシ】

 まず初めに、クチナシをご紹介いたします。
 皆様も、クチナシの花の香りを、一度は嗅いだことがあるのではないでしょうか。

 千葉大学環境健康フィールド科学センターの薬草園の中にクチナシがあります。



 クチナシ(Gardenia jasminoides Ellis)は、アカネ科の常緑性低木であり、主に暖地に自生しています。
梅雨時のこの時期に、6枚の花弁から成る大型で純白の花を咲かせ、甘くて非常に濃厚な香りがすることで有名です。



 クチナシの花が咲き終わった後、秋頃にできる橙赤色の果実は「山梔子(さんしし) Gardeniae Fructus」と呼ばれ、薬用に用いられることがあります。
 具体的には、鎮静、消炎、止血などの効果があるとされています(個人差があります)
 他にも、クチナシの果実は、黄色の染料や着色料として利用されています。


 また、クチナシには沢山の分類群があり、花が小さいコクチナシ(Gardenia jasminoides var. radicans)、葉が丸いマルバクチナシ(Gardenia jasminoides var. maruba)、八重咲きの花を咲かせるヤエクチナシ(Gardenia jasminoides f. ovalifolia)などが挙げられます。

 もうすぐクチナシの季節が終了してしまいます。クチナシの花を見かけたら、是非その香りを嗅いでみてくださいね。



【ヒメゲッカビジン】

 次に、ヒメゲッカビジン(姫月下美人)をご紹介いたします。
 「花の香りに酔い痴れて」の第13回では、ゲッカビジンについてご紹介しましたが、622日の夜中から翌23日の朝にかけて、ヒメゲッカビジンが開花しました。

 千葉大学環境健康フィールド科学センターの5.5号温室の中にヒメゲッカビジンがあります。

 ヒメゲッカビジン(Epiphyllum pumilum)は、サボテン科ゲッカビジン属の常緑性植物です。
 ゲッカビジンと同様に、「一晩しか花が咲かない」、「芳香性を持つ花が咲く」という特徴があります。
 ゲッカビジンと異なる点として、ゲッカビジンの花は、非常に大きく(広げた手よりも大きいです)、複数の花を咲かせることが難しいのですが、ヒメゲッカビジンは、小さめの花(握り拳よりも小さいです)を複数咲かせる多花性を持っています。


 622日の夜、2030分頃までヒメゲッカビジンを観察していたのですが、蕾は開く気配がなく、諦めて帰宅しました。
 翌日23日の朝、9時頃に観察しようと5.5号温室に向かうと、ヒメゲッカビジンは開花しており、萎れ始めているところでした。




(623日朝9時頃のヒメゲッカビジン)

 どうやら、夕方から開花し始め、朝には完全に萎れてしまっているゲッカビジンとは異なり、ヒメゲッカビジンは夜中から開花し始め、朝まで開花しているようです。

 今回は、満開のヒメゲッカビジンを観察することができず、香りを嗅ぐことができませんでした。
 次のヒメゲッカビジンの開花時には、是非その香りを堪能したいと考えています。



 【シクラメン】

 最後に、シクラメンをご紹介いたします。
 「6月にシクラメンの花が咲くの?」、「シクラメンって香りがするの?」と考えた方も多いのではないでしょうか。

 千葉大学環境健康フィールド科学センター花卉苗生産部では、6号温室を始め、複数の温室でシクラメンを栽培しています。

 シクラメン(Cyclamen persicum)は、サクラソウ科シクラメン属の球根植物です。
 花色や花形が非常に多様で、毎年新品種が発表される、人気の高い品目です。

 一般的には、103月に開花するシクラメンですが、実は、長嶋技術職員より「花が咲いた」と報告を受けたのは、5月中旬のことです。

 開花したシクラメンは、以前ブログでも紹介された、雪印種苗株式会社さんの「芳香シクラメンシリーズ」の2品種です。
 この「芳香シクラメンシリーズ」は、四季咲きの性質が強く、1011月と56月に花を咲かせるという特徴があります。

 「芳香シクラメンシリーズ」は、香りがほとんどない園芸品種「シクラメン ペルシカム(Cyclamen persicum)」と芳香性を持つ野生種「シクラメン プルプラセンス(Cyclamen purpurascens)」を交雑して生まれた品種です。
 埼玉県と国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の共同育成により、20169月より生産者向けの販売が始まった新しい品種です。

 「芳香シクラメンシリーズ」5品種のうち、花卉苗生産部で栽培しているのは、埼玉県が育成した「香りの舞い」と「麗しの香り」です。

 「香りの舞い」は、濃い紫色の花を咲かせる品種で、バラやヒヤシンスに似た香りがします。



(517日の「香りの舞い」の様子)

 「麗しの香り」は、ピンク色と紫色の中間色の花を咲かせる品種で、こちらもバラやヒヤシンスに似た香りがします。




(517日の「麗しの香り」の様子)


 6月に入っても、「芳香シクラメンシリーズ」2品種は花を咲かせており、6月上旬には、3号ポットから4.5号ポットへの移植が行われました。



(64日の「麗しの香り」の様子)



(移植後の「麗しの香り」を載せたアルミ台車)

 6月下旬の現在は「芳香シクラメンシリーズ」の開花期が終了し、葉数を増やし、株全体のボリュームを出すための様々な管理が行われています。

 花卉苗生産部では、今年のシクラメン祭にて、「芳香シクラメンシリーズ」の2品種(「香りの舞い」と「麗しの香り」)を販売する予定です。
 今年は「芳香シクラメンシリーズ」の栽培1年目ですので、毎年シクラメン祭にお越しいただいている皆さんでも、まだその姿や香りをご存知ないかと思います。

 今年のシクラメン祭は、2019127()です。
是非お越しいただき、「芳香シクラメンシリーズ」をお買い求めくださいね。 


(学部4年:下重)

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2019年6月27日木曜日

二つの違い

突然ですが
問題です。
下の写真の左右のトルコキキョウが植えられているセルトレイ、
違いは何でしょうか??


ではセル苗をセルトレイから出してみましょう。
(わかるかな?)

ピンセットで押してみましょう。
左側のセル苗は土(普通の培養土)の形が崩れてしまいましたが右側のセル苗の土(特殊な培養土)は崩れていません‼

なぜかと言うと~
右側のセル苗の培養土の中に特殊な繊維等を混ぜ込んで、
培養土の形が崩れにくくしてある
固化培土と言われる特殊な土だからです。

固化培土このような特性があるため、
根の回っていない小さい苗で移植したい時や、
移植時に根を傷つけたくない直根性の植物などに使用します。
また保水性が高いため、発芽時に水分を必要とする植物にも使います。
(トルコキキョウにぴったりですね。)
[根が回ってない苗を持ち上げても、土がくずれない] 

この固化培土、セルトレイだけではなく、
ポット用のもあったり、壁面緑化用の培養土と使用されていることもありあります。

気に留めないだけで皆様も普段見かけてるのかもしれないですね。

クイズの答えは『培養土が違う』、『品種が違う』、
『種を播いた日や苗のサイズが違う』などでした‼(笑)

(新澤)

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2019年6月26日水曜日

交配種子の採種・精製


 今週の園芸学科3年生の専門実習では、交配種子の採種と精製を行いました。
 先月末の実習で交配に成功したペチュニアの果実が膨らんできたため、開裂して中の種子が出きってしまう前に、採種を行います。




 自身で考えて花色や草姿の異なる株同士をかけ合わせたはず…ですが、自分で交配した株がどれだか分からない学生も。
 そんなときのために、交配の際につけていたタグの裏にメモした名前を見ながら、「こっちにあったよー」などと言いながら、自分で交配した株に膨らんだ果実がついているかを確認していきます。

 八重咲など、やや果実のつきにくい品種もあり、品種間や組み合わせによって結実率に違いがありそうですね。
 ペチュニアの実は2枚の大きな心皮からなる蒴果の一種であるため、乾燥して裂けた先端から種子が落ちないように蒴果ごと、あるいは蕚(がく)も含めて採取して、採種用の袋に入れて常温におき、種子がこぼれ出るのを待ちます。


 しかし、蒴果や蕚がついた状態で冷蔵庫に保管すると、種子以外の部分にカビや虫が発生して種子の発芽率が下がってしまいます。
 また、播種の際に夾雑物や未熟な種子が混ざっていると、発芽にむらが出てしまうため、種子だけの状態に精製しておく必要があります。

 種子の精製方法は以前にもブログで紹介しましたが、網の目の大きさを変えて夾雑物と分別する篩(ふるい)を用いた方法や、風や水などによって軽い種子や細かなゴミを分ける方法、最終的に肉眼で観察しながら紙の上で種子のみ転がして分別したりと、様々な方法を組み合わせて精製していきます。




 今回は夾雑物があまり多くないため、ピンセットを用いて眼で見ながら種子のみになるように夾雑物を選り分けていきます。

 発芽率を維持させたまま種子を保存するため、播種するタイミングで余計な手間がかからないようにするため、採種してなるべく早く精製するように努めます。



 来週は今回得た種子を実際に播種していきます。
 交配して、採種して、精製して…と、手間と愛情(?)をたっぷりかけた種子から出た芽がどんな花を咲かせるのか楽しみですね。


(安藤匡哉)

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2019年6月25日火曜日

ピンチ×ピンチ

 先週のジャパンフラワーセレクション第一回夏花壇審査の終了後、一部の品種は、処理区の半分について、ピンチ(摘芯)を行うこととなりました。ピンチの有無によるパフォーマンスを比較し、審査に反映させていきます。

温室では、右側をピンチし、左側はそのままの状態で管理を続けます。

正門脇の花壇でも、写真中央のように、処理区の半分をピンチ!
これで、ピンチ区はまた綺麗に花を咲かせることでしょう!

 が、しかし、もう一つのピンチが発生です。そうです、カラスです。花壇脇の高木に巣とヒナがいるため、カラスが威嚇しながら、急接近してきます。私もそれに負けじと、最大限の殺気を放ち、2mの植物用の緑支柱で威嚇。仕事が進みませんが、殺気と緑支柱を持ちながら、黙々とピンチしていきます。

 ふと、客観的に考えると、日焼けした成人男性が、2mの緑の棒を持ち、キョロキョロしながら、不機嫌そうに植物を切っているという状況です。完全に怪しい...
 皆さん、千葉大学でそんな男を見かけたら、その不審者と周辺のカラスに十分に注意しましょう!!!笑


(黒沼)



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2019年6月24日月曜日

オタネニンジンの日除け屋根用のムギの栽培

今月上旬にオタネニンジンの栽培の件で島根県の大根島(松江市八束町)に行ってきました。島根県の大根島は、日本に残る江戸時代から続く数少ないオタネニンジンの栽培地です。今年は晴天と高温が続き、雨が少ないため、畑の土がカラカラでした。順調に生育しているように見えましたが、今後の生育が心配です。



大根島でのオタネニンジン栽培の特徴は、同じ土地で14年に一回栽培する輪作体系が昔から出来上がっていることです。休耕期間も含めて、ボタンもしくはシャクヤク、ムギ、最近ではソバの栽培も盛んです。また、観光資源(景観)としての考え方から、道路沿いには昔ながらの方法での栽培が行われています。
オタネニンジンは北向きに開いたクリの木を柱にして、麦藁の屋根の中で栽培が行われています。



ちょうど、その屋根用のムギの収穫が行なわれていました。このムギは食用ではなく、ただオタネニンジンの屋根用に昔から栽培をされてきた系統のようです。

一時は、六次産業化のブームを受けていろいろと食材としての活用法を検討されたようですが、どれも×だったとか・・・。どう調理をしても不味いそうですが、なぜ、この系統が残されたのかは良く分からないそうです。おそらく、昔は家畜の餌に利用されたのではないでしょうか。

他の人参産地の長野では、稲藁を屋根に利用していますが、大根島では汽水湖の中海に囲まれ、米作に向かない土地であったこともあり、麦が栽培されるようになったようです。





大根島での長いオタネニンジン栽培の歴史の中で受け継がれてきたこのムギですが、これからも伝統を受け継ぎ、地域の貴重な資源として活用されていくことでしょう。


 (渡辺 均)
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2019年6月21日金曜日

毎年恒例! 研究室紹介


 学部4年の五月女です。


 今週は、毎年恒例の3年生に向けた研究室紹介・食事会と懇親会がありました。
 このイベントは、研究室の選択を間近に控えた3年生向けに、学生の立場から研究室の紹介を行い、全体で食事会をした後、実際に研究室に移動し、主に4年生以上の学生と懇親会をして研究室の雰囲気を体験するイベントです。


 昨年は、私は3年生の立場で参加していましたが、今年は迎え入れる側として、研究室紹介用のPowerPointを作成しました!



(画像は松戸の花卉園芸学研究室作成のPowerPointです)


 全ての研究室の紹介が終わり、全体の食事会が終わると、花卉園芸学研究室に移動して懇親会を行いました。
 今年ははじめに6人が花卉園芸学研究室に来てくれました。
 私自身、花卉園芸学研究室を志望している3年生と話す機会がほとんどなかったため、とても貴重な機会でした。

 3年生にとって、出来るだけ後悔のないような研究室選択をしてほしいと願っています。



 (学部4年:五月女)

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2019年6月20日木曜日

ディスコ空間

梅雨時で天気の優れない日が多く、洗濯物を干すのに一苦労しますね。

さて先日、発芽台車にひと工夫加えました。
どんな工夫かと言うと~!!

じゃじゃーん

見てください!!この宇宙にも行けそうな見た目!!

なぜこのような事をしたかというと、
先日播種試験を行ったディディスカス ブルーレースフラワー(Didiscus caeruleus)が、発芽のそろいが悪く、終盤に発芽をした種子を待っていたら、前半に発芽した幼苗が光を求めて胚軸が徒長してしまいました。

 徒長した苗

どのように徒長させないようにするか職員同士で考えだした答えが、
『発芽台車にアルミホイルを巻いて蛍光灯の反射を多くし、植物に当たる光強さを上げる』というものです。

なので普段はこのような状態の発芽台車にアルミホイルをグルグルと巻いて、
アルミホイルをグルグルと巻いて、

天井も覆って、

完成です。電気をつけるとミラーボールみたいに光り輝いてますね。



618日に播種を行ったセルを入れましたが、効果はいかほど!?


(新澤)
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2019年6月19日水曜日

何とも言えない香気

 少し落ち着いてきましたが、先週くらいまで柏の葉キャンパス内の一部では、思わず顔をしかめてしまう香りが漂っていました。
 皆さんも公園を歩いているときに、眉をひそめたのではないでしょうか。



 白く長い、まるで試験管ブラシのようなこの花。
 クリ Castanea crenata の満開シーズンでした。

 クリは日本各地の山野に自生し、果樹として栽培がおこなわれているブナ科の落葉高木です。



 皮針形の細長い葉には波状の針状鋸歯がありますが、よく似た葉をもつ同じくブナ科のクヌギやアベマキでは鋸歯が褐色になっているのに対し、クリの鋸歯は先端まで葉緑素を含むために緑色になっていることから区別されます。


 このシーズンに開花する細長い花穂は垂れ下がり、独特な臭いを発します。
 この臭いは不飽和アルデヒドを多くふくむことが要因とされていて、海産物のようななんとも形容しがたい臭気を放ちます。
 雌雄同株であり、雄花は先端部に、雌花はやや緑色で基部近くに固まってつきます。


 花が終わると、雌花の総苞片が生長し、果実を包んで長い刺のあるイガが形成され、一般的に見るような栗の形ができあがります。

 実の部分は美味しさもさることながら、ビタミン類やミネラル分を豊富に含む栄養素の高いことが知られています。
 その他にも、このイガ部分、樹皮は秋に、葉は夏に採取して乾燥することにより、薬用効果を示すとされており、多量に含むタンニンの作用から、煎じた汁により皮膚疾患に処方したり、入浴剤として利用することができます。



 開花シーズンである6月は、気軽に外を散歩すると残念な気持ちになったりすることもありますが、秋の味覚を楽しみに、この独特な香りも楽しめるような余裕を持ちたいところです。


(安藤匡哉)



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2019年6月18日火曜日

JFS夏審査のはじまり

 本日、6月18日は、ジャパンフラワーセレクション2019年夏花壇苗の第一回目の審査会です。4月頃から定植を開始した花壇苗について、本格的な梅雨前に、パフォーマンスのチェックを行います。夏花壇審査は、例年9~10月まで行われます。
 今年は、過去最高の春・夏審査で約40品種の審査が行われるため、面積が足りません。そこで、春審査が終了した品種は速やかに、撤去を行い、耕耘・追肥等を行って、新たに夏審査用品種の定植を行いました。

5月下旬の春審査品種
花盛りですが、速やかに撤去を行います。

撤去後の様子。
撤去の際は、心を鬼にして。いや、心を無にして、
植物をどんどん抜いていきます。

そして、空いたスペースに夏審査品種を定植!

これが今の様子(6月17日)。

 今年は、花壇のすぐ近くに、カラスが巣をつくってしまったため、人に襲い掛かってくることも...カラスも私もナイーブですが、お互い無事に、夏を終えたいものです。


黒沼



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2019年6月17日月曜日

樽プランターをペチュニアの花で埋め尽くす 2019

今年も始まりました! 毎年恒例となりましたが、園芸学科3年生の栽培・育種学専門実習の課題の一つとして、樽プランターへのペチュニアの植え付けの実習を行ないました。植物を育て、美しく魅せるのも花の重要な仕事のひとつですね。 

直径45㎝のまだ洋酒の香りが残る樽プランターを使って、ペチュニアの‘さくらさくら’、‘桃色吐息’、‘おゆきちゃん’のポット苗を植え付けました。計8ポット。

クリアすべき課題は以下の3つ。
7月末の最後の実習日に最も綺麗な状態に仕上げること。
② プランターの外側1/2が植物(花)で覆われること。
③ まんべんなく3色の花で覆われること。

日々の灌水は技術職員が対応してくれますが、それ以外の施肥、摘心、病害虫防
除などは、各々の学生さんの判断で対応してもらいます。もちろん、教員はアドバイスはしますが、直接植物に手を加えることはしません。あくまでも学生さんにお任せです。

最初に樽の底にネットを敷き、大粒のパーライト(20号)を樽の半分まで入れます。これは、持ち運びを考慮してプランターの重量を軽くすること、排水性を高めるため、さらに培養土の使用量を減らすためです。ペチュニアの根は直根性ではありませんので、樽底まで用土を入れる必要もありません。







用土を充填した樽の中央がやや高くなるようにならし、苗の植え付け位置を決めます。





分枝を促すため、伸びている枝を切り詰め、ポットの根鉢をピンセットを使って軽くほぐし、植え付けます。




最後に株間に用土を足し、表面の凸凹をならします。




最後に自分の名前を付けて、樽底から水が流れ落ちるくらい灌水して作業終了です!




7月末までの約2か月に渡って、じっくりと自分の植物と向き合い、その成長過程から様々なことを学んで(気付いて)欲しいと思っています。今年の出来栄えが楽しみです!


 (渡辺 均)
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