今週の園芸学科3年生の専門実習では、交配種子の採種と精製を行いました。
先月末の実習で交配に成功したペチュニアの果実が膨らんできたため、開裂して中の種子が出きってしまう前に、採種を行います。
自身で考えて花色や草姿の異なる株同士をかけ合わせたはず…ですが、自分で交配した株がどれだか分からない学生も。
そんなときのために、交配の際につけていたタグの裏にメモした名前を見ながら、「こっちにあったよー」などと言いながら、自分で交配した株に膨らんだ果実がついているかを確認していきます。
八重咲など、やや果実のつきにくい品種もあり、品種間や組み合わせによって結実率に違いがありそうですね。
ペチュニアの実は2枚の大きな心皮からなる蒴果の一種であるため、乾燥して裂けた先端から種子が落ちないように蒴果ごと、あるいは蕚(がく)も含めて採取して、採種用の袋に入れて常温におき、種子がこぼれ出るのを待ちます。
しかし、蒴果や蕚がついた状態で冷蔵庫に保管すると、種子以外の部分にカビや虫が発生して種子の発芽率が下がってしまいます。
また、播種の際に夾雑物や未熟な種子が混ざっていると、発芽にむらが出てしまうため、種子だけの状態に精製しておく必要があります。
種子の精製方法は以前にもブログで紹介しましたが、網の目の大きさを変えて夾雑物と分別する篩(ふるい)を用いた方法や、風や水などによって軽い種子や細かなゴミを分ける方法、最終的に肉眼で観察しながら紙の上で種子のみ転がして分別したりと、様々な方法を組み合わせて精製していきます。
今回は夾雑物があまり多くないため、ピンセットを用いて眼で見ながら種子のみになるように夾雑物を選り分けていきます。
発芽率を維持させたまま種子を保存するため、播種するタイミングで余計な手間がかからないようにするため、採種してなるべく早く精製するように努めます。
来週は今回得た種子を実際に播種していきます。
交配して、採種して、精製して…と、手間と愛情(?)をたっぷりかけた種子から出た芽がどんな花を咲かせるのか楽しみですね。
(安藤匡哉)
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