2019年6月3日月曜日

種子を自分でつくる

農業の分業化が進み、最近では花の生産者も種子を自分で購入して苗作りをする人は少なくなってしまいました。苗生産施設の維持や生産の手間やロスを考え、苗を購入することが当たり前のようになってしまいました。一方で、生産者が自分で種子を採る方法を知らず、自分で苗を作ることができなくなってしまったら・・・? それは、新品種の開発やオリジナル品種を維持する技術を持たないことを意味します。また、自分の土地にあった品種を持つことも生産者にとっては有利なことなのですが・・・。
そこで、先週の園芸学科3年生の専門実習では、ペチュニアの交配実習を行ないました。ペチュニアの花色の遺伝、草姿の違い、八重咲きの遺伝などについて解説し、さらに交配方法について説明を行なった後、実際にピンセットとホチキスを使って交配してもらいました。作業は簡単です。ピンセットで開花前日の未開花の蕾を割き、葯を取り(除雄)、柱頭に他の品種花粉を付け、最後に他の花粉が柱頭につかないように軽くホチキス留めを行ないました。




交配日と交配組み合わせ、氏名を書いたタグをつけて完了です。上手く受精した花は、数日後には花がしおれ、子房が膨らんできます。20日ほどでさやが褐色に変色してきたら採種のタイミングです。
採種、播種、プラグへの移植、ポット上げ・・・と作業は続きますが、一連の工程を実際に自分でやってみて、観察することが大切ではないかと思っています。また、自分が交配した組み合わせの種子から、どんな花色や草姿の株ができるのか、育種の面白さについても理解してくれたら良いですね。 


 (渡辺 均)
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