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2014年11月10日月曜日

育種の現場


先週金曜日(11月7日)、学生さんたち、研究員の方々、教員の総勢15名で、静岡県内の種苗会社の農場を見学させて頂きました。

午前中は横浜植木株式会社さん、午後は株式会社サカタのタネさんの研究農場を見学させて頂きました。


横浜植木さんは野菜類の育種で有名ですが、ペチュニアやビオラ、サルビアの育種も積極的に取り組まれています。




サカタのタネさんは世界的にも大手の種苗会社で、花卉の育種も大規模に古くから取り組まれています。




どちらの会社でも、千葉大園芸学部の卒業生が育種担当(ブリーダー)として活躍されていて、今回の大人数の見学も快く受け入れて下さり、業務内容や業界について詳細に説明して下さって、質問にも丁寧に答えて頂きました。

学生さんたちも、社会に出たら、実際の育種の業務についてや、学生のうちに身につけておくべきことのアドバイスをいただいたり、とてもよい機会になったはずです。現場の生の声を聞くことのできるチャンスは意外に、とっても貴重なんです。

私も何年か前まで育種の現場に身を置いていましたので、現場の方のご苦労は肯けることばかり。

学生さんたちもこのような機会を大事にして、社会に出たら後輩たちに自分の仕事を、自信を持って説明できたり、後輩たちに、社会人としてしっかりアドバイスできるようになって欲しいな、と思っています。

見学にご協力頂きました皆様、本当にありがとうございました。


(金谷)

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<お知らせ>

今年も千葉大で生産した良質シクラメンの即売会、
「シクラメン祭2014」を開催します。
ぜひ、ご来場下さい!!

日時: 2014年12月6日(土) 10:30~13:30(予定)
場所: 千葉大学環境健康フィールド科学センター内 シーズホール

↓↓↓詳しくはこの画像をクリック!↓↓↓


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2014年9月30日火曜日

ペルーで


9月も今日でおしまい。

今月は2度も南米へ行く機会をいただき、準備などなどバタバタしていて、このブログもなかなか書くことができませんでした。

さてさて、9月上旬は、ペルーの首都、リマへ伺いました。




ペルーへ訪問するのは初めて。
現地の研究機関で、3日間にわたり、講義をさせていただきました。
主なテーマは「観賞用植物の遺伝資源と育種」。




南米には観賞用植物の遺伝資源が豊富に存在します。

これらをいかに、有効に活用していくのか。
現地では観賞用植物の育種は、まだまだ盛んではありませんが、参加していただいた皆さん、真剣に聞いて下さり、たくさんの質問もいただきました。

遺伝資源の保護も含めて、南米発の観賞用植物育種が進んでいくことを願っています。



それから、ペルーは食文化がとても豊かで、食べ物の種類も豊富。


「Pato con arroz」 = アヒルの炊き込みご飯



「Cuy asado」 = Cuy (天竺鼠)のオーブン焼き

どれも、ほんとに美味しかったです。



(金谷)


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2014年7月1日火曜日

黒い...


蒸し暑い日が続きますね。
大雨・雷・雹・突風、そして体調には十分気をつけましょう。

さて、今回は黒い花をご紹介します。


そう。ペチュニア(Petunia)です。

よく知られているペチュニアと言えば...


ピンクとか...


青とか...
赤、白、黄色など、すでに多くの花色の品種が存在していました。

これ以上、新しい花色の品種なんてできるのかしら...
と思ってましたが...


数年前に初めての黒花ペチュニアが登場してから、あっという間に多くの黒花品種が登場しています。
最近は、「オレンジ」を謳う品種も登場していますね。

どうやら、やはり、育種には終点はないですね。



寄せ植えなどに使うと、黒花は雰囲気を引き締める感じで、結構いいものですよ。

(金谷)


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2014年5月6日火曜日

カリブラコア

昨日のブログにもありましたが、今、苗生産部は母の日向けのカリブラコアやペチュニアの出荷で大忙しです。



「カリブラコア (Calibrachoa)」。
今では多くの方々に親しまれている植物名ですが、育種が始まって、園芸的に利用されるようになったのは、実はわりと最近です。

カリブラコアの育種が始まったのは1990年代だと言われています。
それまでは、その存在も知る人ぞ知る、といったものでした。
ペチュニア(Petunia)とごく近縁な南米原産のナス科植物ですが、ペチュニアなどに比べると花が小さく、園芸的価値が高いとは思われていなかったようです。

しかし、育種が始まってわずか二十数年。今では、黄、オレンジ、青、ピンク、白等々、花色は非常に多様。最近では星模様のような品種もありますし、大輪の品種、さらに八重咲き品種も登場しています。草型も直立性、半匍匐性、匍匐性と多様です。







今では世界中で、親しまれる花となっています。
なぜ、わずか二十年余りでこんなに多様な品種が登場したのか...

研究を通して探っていきたいと考えています。


(金谷)




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2014年4月8日火曜日

ちょびっとだけ 育種のはなし


これなんでしょう?



苗生産部で生産中のニチニチソウ (Catharanthus roseus) です。
夏の花ですので、4月に開花苗を生産するのはちょっと早いのですが、需要はあります。

これをよく見てみると、




ピンクとホワイトで、ずいぶん開花程度が違います。
同じシリーズのニチニチソウなんですが。

育種の世界では、同じシリーズの中で、花色は違っても、草型、花型、花の大きさ、そして開花時期、すべてをできるだけ揃えようと努力します。
同じ日に播種して、同じ日に開花して、同じ日に同じ形で同じ花数の苗を出荷できる方が、生産するには効率がいいですもんね。
例えば、ホワイトだけが開花が遅ければ、ホワイトだけを早めに播種したり、温度を上げたりしないといけない場合もあります。

育種家は年々改良を進めて、いろいろな形質の揃いを良くしていく努力をしているわけですが、相手は植物。教科書通りに、思うようにはすぐ改良できないこともあります。
それでもやっぱり、一歩一歩でも、品種改良の努力は続いていきます。


(金谷)



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2014年1月28日火曜日

重イオンビーム育種


先日、理化学研究所(埼玉県和光市)で開催されたシンポジウムに参加させていただきました。
テーマは、「ゲノム新時代の重イオンビーム育種」。

重イオンビーム照射により人為的に突然変異を誘発し、育種に役立てようとするものです。




重イオンってなんでしょう?
原子に電気を帯びたものがイオン。特にヘリウムより重い元素のイオンを「重イオン」と呼びます。


この重イオンを、加速器と呼ばれる特別な装置を用いて加速し、速度と方向が揃ったビームにして植物体や種子に照射すると、DNAの一部が破壊されて、突然変異体が得られることがあります。

こう書くと難しそうな話ですが、昔から人間は「突然変異」を利用して、育種を行ってきました。

例えばペチュニア (Petunia) の青い花は今ではごく当たり前に見ることができますが、野生のペチュニアには元来、青花の種は存在しません。長い育種の歴史の中で、自然に生じた突然変異体を選抜し、育種を続けてきた結果できた品種 (Petunia x hybrida) たちです。ペチュニアの赤花や白花の品種の多くや、八重咲きの品種も突然変異に由来しますし、カーネーション (Dianthus caryophyllus) だって、基になった野生種は一重咲きです。

植物でなくても、飛べなくなったニワトリも突然変異で生じたものですよね。インドネシアの山奥では野生のニワトリ(野鶏)が飛んでいます。鮒からできたという金魚だってきっとそう。

このように、自然界では偶発的に起こる突然変異を、重イオンビームで人為的に、もっと効率的に生じさせれば、育種がもっと早く進むのではないか、ということで重イオンビームによる育種が行われています。
花色や葉色、花型や草型の変異、不稔化など、様々な変異体の獲得が期待できます。
自然界でも起こり得る現象ですから、他の生物の遺伝子を組み込むなどして、配列を人為的に組み換える遺伝子組み換えとは異なります。


実際にすでに多くの品種が実用化されています。
ペチュニアやバーベナ、サクラやダリア。

そうそう。そういえば、このブログにも何度か登場しているサイネリア (Pericallis x hybrida) のこの品種(‘セネッティ ラベンダーバイカラー’)も重イオンビーム照射によって作出された品種です。





元はこんな感じ(↓)の、もっと濃いピンクの株でしたが、重イオンビームを照射することにより、ピンクが淡く、優しい色合いになりました。




育種は交配だけでなく、こういった、いろいろな方法で進められています。

(金谷)


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