晴れ間での茹だるような暑さと豪雨による環境変化からストレスを受け、疲れから抵抗力も下がり、飲む水の量も増え…というような状態が続くと、特に胃の調子が乱れることから夏バテの症状が出やすくなりますね。
そんな暑さを乗り切る食べ物が、暑さに負けずすくすくと育っています。
オクラAbelmoschus esculentus(旧名Hibiscus esculentus )はアフリカ北東部から熱帯アジア原産の多年生草本、国内では一年生草本扱いの植物です。
現在は花オクラとしても知られるトロロアオイという近縁種の属する、トロロアオイ属に分類されています。
オクラの名前は英語名に由来し、和名としてはアメリカネリ、また切り口の形状から陸蓮根(おかれんこん)などと呼ばれています。
旧属名からも分かるように、ハイビスカスと同属として扱われていた植物であり、花色は園芸用として用いられるような派手な色ではありませんが、似た形状で中央が濃い赤色に染まる花をつけます。
花オクラの場合はこの花を摘み取って食用としますが、オクラの可食部は開花後1週間程度で膨らみつつある未熟果実。
開花後から収穫までの期間はモノによって異なりますが、収穫が早いと種子が太らずネバネバが弱く、収穫が遅れてしまうと皮が固くなって食べられません。
オケラは食物繊維やミネラルに富むことから整腸作用が期待されますが、その中でもネバネバの主成分である粘液性糖タンパク質には、胃腸の粘膜を保護して消化を助ける働きがあるとされ、夏バテで弱った胃腸にはもってこいの食べ物です。
このネバネバ成分である粘液性糖タンパク質は納豆や山芋にも含まれています。
とりあえずネバネバしたものを集めました!という適当な発想から生まれたかと思える「ネバネバ丼」や「ネバネバうどん」は、栄養分をたっぷり摂りつつ、夏バテで不足しがちな炭水化物をしっかり補給できる夏の救世主ですね。
節ごとにつくオケラの供給スピードに負けないよう、ネバネバ食材を活かした料理で夏の暑さを乗り切りましょう。
(安藤匡哉)
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