2018年11月7日水曜日

炊ぐ葉


 朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりましたが、昼間にフリースを着て作業をすると、途端に汗だくになってしまうほどにはまだ暖かいですね。
 服装はすぐに脱いだり羽織れるもので、上手く体温調節をしたいところです。


 そんな秋の季節は紅葉をはじめ、春から夏にかけて伸び伸び育った植物たちが、来年に向けて冬支度をはじめるシーズン。
 来春また芽吹くために、色とりどり、様々な形の実をつけた植物の姿が見られます。

 そんななか、こちらも種子が顔を覗かせているようですが…。



 なんともごっつい姿で登場です。
 こちらはホオノキMagnolia obvataの果実です。

 ホオノキの果実は袋果が複数集まってできた集合果で、1つの袋に1~2個の種子が入っています。
 なかの種子を取り出そうと指に力を入れてみますが、雨で濡れていたこともあり、採ってきた当日には硬すぎて取り出すことが出来ません。



 数日陰干しして、ある程度柔らかくなってから、内側の種子を取り出します。



 赤い種皮を水洗して取り除くと、これまた武骨な黒い種子がお顔見せ。
 この状態まで処理したら、乾燥しないうちに赤玉土を入れた育苗箱に播種します。



 あとは水をきらさないようにすれば、春ごろに芽を出してくれることでしょう。

 草本植物に比べれば大きくも見える種子ですが、生長して大きくなれば30mを越える高木になり、1枚の葉の大きさも30cmに至ることを考えると、この小さな種子のいったいどこにそんな力があるのやら。


 ホオノキの大きな葉は、古来よりご飯を包んだり、酒を注いだり、料理を載せる皿としても利用されており、岐阜県では野菜に味噌を盛って葉で包み、焼いて食べる朴葉味噌という郷土料理としても親しまれているようです。
 また、樹皮を乾燥させたものは厚朴(こうぼく)と呼ばれ、他の生薬と組み合わせて用いられることで、健胃、鎮痛に処方されます。


 かつては食材を包む袋、現在のビニール袋のように店先に干した朴葉が何枚も重ねて置かれ、買った商品を葉で包んで持ち帰るという、なんとも粋で風情のある光景も見られたとか。
 人の営みのなかに、植物が自然に取り込まれていたことを実感します。
(安藤匡哉)


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