花卉・苗生産部は、基本的に受注生産です。
学内販売用のカリブラコアやシクラメン、実験植物を除き、
鉢花も花苗も、発注を受けてから種子や苗を手配し、
播種・挿し芽・移植などを計画します。
注文のある品目は、だいたい固定されているので、
灌水頻度や病害虫の発生などの情報は蓄積されてくるのですが、
注文が入らない・作ったことのない品目はサッパリ・・・
そこで季節ごとに毎回、ちょっと変わったもの、
注文を受けたことがない珍しいもの、
新しいものを1つは作るよう心掛けています。
今年の秋は、コレ↓
何だか分かりますか?(この写真で分かる人スゴイ・・・)
ヒントは、つる性であるところと葉の形状。
同じ科のアサガオやサツマイモと似ています。
正解は~~~
ヒルガオ科Ipomoea(サツマイモ)属
ミナ・ロバータ (ジャングルクイーン) です。
上の写真は9月上旬撮影。
葉が生い茂るばかりで、なかなか開花しないなと思っていましたが、
短日植物なので、日が短くなる10~11月によく咲きました。
下の写真は11月下旬撮影。
葉はアサガオ、サツマイモと似ていましたが・・・
咲いてみると、花は全く別物。
細い袋状の花が連なり、花穂を作ります。
咲き始めは赤で、徐々に色が薄くなり、
オレンジピンク、黄色を経て白くなって散ります。
グラデーションがとっても綺麗!
ただ、つるがよく伸び、その先端に花が咲くので、
形を整えるには、数回の切り戻しと強めの矮化剤が必要です。
今回は、支柱を立てて行灯仕立てにしましたが、
最初からネットなどに這わせてグリーンカーテンにしてしまうのもアリです。
生育は旺盛で育てやすいですが、特にハダニが付きやすいようです。
灌水時に葉裏にもしっかり水をかけることで、ハダニの予防になります。
本来は多年草のようですが、日本では寒さに耐えきれず、
一年草扱いとなっていますので、楽しめるのはあとほんのわずか。
今回は秋に合わせて播種しましたが、温室があれば、5月頃にも開花する模様。
7~9月は、花が無い状態のようですが、
また10月頃に咲いて、年に2回楽しめるようなので、
来年は春先開花も目指してみようと思います。
さぁ~て、次は何を播こうかな~?
(池田)
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