先週の研究室の実習でナルコユリを出荷しました。このナルコユリは、昨年の10月に米袋に入った約2袋分の果実から、50万粒弱の種子を洗浄して取り出し、育苗トレイに播種したものです。昨年の播種の様子は下記をご参照下さい。
播種した量が多いことで他の品目の温度処理との兼ね合いから発芽室に入りきらなくなってしまい、当初の予定を変更して温度処理を中断しました。そのため、当初の予定より休眠打破にもう1回冬の低温が必要になってしまいました。実際に葉が展開するのは来年の春の予定です。自然界の発芽と同様に実際に播種してから発芽までに1年半近くかかってしまった計算です。
実際に育苗トレイの土の中を覗いてみると・・・
すでに発根し、白い小さな芽と膨らんだ根茎も見えていますね。すぐにでも発芽してきそうですが、低温を受けないとこのまま休眠した状態が続きます。このような休眠を上胚軸休眠と言います。
出荷作業は、育苗トレイを中敷きで包み、ダンボール箱に2トレイずつ入れていきます。
ダンボール30箱、計60トレイの箱詰め完了!
出荷先では育苗トレイは露地圃場に並べられ、しっかり冬の寒さに当てて休眠を打破させます。来年の春には一斉に発芽してくることでしょう。秋には育苗トレイから取り出し、畑へ定植する予定です。
山菜・切り花としての利用や生薬「黄精」として収穫・出荷できるのは5年後です。気の長い話と感じられるかも知れませんが、毎年50万粒の種子を播き続けると・・・、5年後からは安定した量産体制が確立されることでしょう。まだ誰もチャレンジしていないことに取り組み、新たな品目としての確立、産地の形成を目指し、夢を見ることができるのも薬用植物、機能性植物栽培の面白さかも知れません。
(渡辺 均)
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