皆さん真剣な表情でプラブネ(緑バット)の中に入って、長靴を履いてうつむき加減、脇に丸い椅子まであって、何か不思議な光景ですよね。
じつは、これはナルコユリ(キジカクシ科 Polygonatum falcatum A. Gray.) の果実を踏んで、種子と果肉を分けているところ。すべての果実を踏み終えたら、丸椅子に座って長靴の底に付着した果肉や種子を洗浄しないと緑のバットからは出られません。
踏みつけるのにもコツが要ります。ただ踏みつけただけでは、果肉と種子は分かれてくれませんから、力強く踏みつけます。
その後、緑のバットに水を入れ、果肉と種子を大まかに分け、さらにザルとバケツを使って何回も洗浄して果肉や果皮を取り除き、種子だけにしていきます。
新聞紙に広げて水気を取り、鹿沼土を入れた育苗箱に播いていきます。
1枚の育苗箱に4000粒ほど播きました。
覆土して、灌水したら種蒔きは終了です。その後、水を切ってから、1枚ずつラップで包み、大型の冷蔵庫へ入れて低温処理を施します。何もしないと、発芽は再来年の春になってしまいますので、低温処理と高温処理の組み合わせで早期発芽を目指します。
これだけの大量の果実にしては、作業は比較的スムーズに進みました。合計で〇十万粒の播種が完了! 最初は1粒ずつセルトレイに播種? なんて話もありましたが、いやいやこれだけ播いて、発芽が再来年となると、育苗ハウスがその間、ナルコユリのセルトレイで一杯になってしまいますし、その間の灌水や遮光の手間を考えても、セルトレイへの播種の選択はなしですね。
来年以降の発芽のことを考えると楽しみでもあり、全部出てきたらと考えるとちょっと恐ろしい気もします・・・。
(渡辺 均)
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