2017年10月3日火曜日

ELR2017 名古屋への参加

 先月のことですが、9月23, 24日と、ELR2017 名古屋に参加してきました。ELRとは、日本緑化工学会・日本景観生態学会・応用生態工学会の三学会合同大会を指し、植物だけではなく、動物の生態や環境マネジメントなど、様々な研究分野の発表が行われています。
 そのなかでも、今回のELRでは、「グリーンインフラ」が一つのトピックとして、国際シンポジウムの講演を聴くことが出来ました。
ジャック・アハーン教授の講演の様子

 国土交通省によると、グリーンインフラとは、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用しようとする考え方で、米国で発案された社会資本整備手法だそうです。我が国では、平成27年度に閣議決定された国土形成計画、第4次社会資本整備重点計画において、「国土の適切な管理」「安全・安心で持続可能な国土」「人口減少・高齢化等に対応した持続可能な地域社会の形成」といった課題への対応の一つとして、グリーンインフラの取組を推進することが盛り込まれました。

 緑地は、環境調節効果や生物のすみかとしての役割、心理的効果など、その「多機能性」について、多くの調査研究がなされてきました。そうした学術的なバックグラウンドが整備されてきた近年だからこそ、緑の多機能性の新たな応用として、「グリーンインフラ」と呼ばれる考え方が生まれてきたのだと思います。
 インフラやコンサル、緑化業界において、このような考え方の普及は、大きなビジネスチャンスの一つです。しかし、緑化に関わる一研究員としては、このようなマクロな視点をもった研究活動も重要ですが、一つ一つの現象ときちんと向き合い、緻密で丁寧な研究活動を行うことが、次の概念や波をつくることに繋がると信じています。
 「千里の道も一歩から」、そう自分に言い聞かせて、今日も植物の重さを計ります。笑


黒沼



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