春の陽気に桜も満開を迎えていますが、今週はまた寒さが舞い戻ってきたような気がしますね。
昨日と同じような服装でやや肌寒さを感じつつも出勤してしまうと、帰る頃には震えることになるかもしれませんので、予報を確認してから服を決めた方が良さそうです。
連日薬草園の作業が続いていますが、それとは別に今年も薬用植物の苗生産が始まっています。
それらの作業の大元になる種子は、薬草園や圃場、またハウス内で栽培する親株から採種し、次年度以降の苗生産にあてています。
以前にも記事を上げたかと思いますが、薬用植物の種子は、種苗会社が育種技術によって作り上げた、普段苗生産で利用する園芸品種の種子とは違い、種子の大きさもまちまち、発芽も揃いもまちまち…と、安定した苗生産を行うことに適していません。
いくらかの種に関しては、研究が進み発芽に適した条件や、発芽させるための処理方法が明らかにされ、実際の苗生産に活かされていますが、大半のものはまだまだ研究段階です。
納期に合わせるために発芽を揃え、間引きの手間を減らすために発芽率を上げていきたいところですが、その植物種ごとに様々な要因が発芽を妨げているために、試行錯誤が必要です。
こちらの種子。
黒い種皮に含まれる発芽を抑制する物質が、水分と酸素の供給を妨げると考えられていて、本来は湿らせた土の中でじっくり数ヶ月眠らせることで、種皮からその物質が溶け出してようやく発芽に漕ぎ着けるものです。
そうであるならば、と種皮を物理的に剥がした状態で吸水をさせてしまえば、発芽が早まるのではないかという考えから、乳鉢にでゴリゴリと種皮を剥がしてみました。
中の種子を砕かずに種皮が少し剥がれているように見えます。
湿らせた実験用タオルで拭いてみると綺麗に種皮が剥がれました。
こちらを水に浸けて吸水させた後に、試験的にシャーレに播いてみました。
吸水と吸気がうまくいったのか、一部の種子では発芽が早まったように思えましたが…
割れてしまった種もちらほらと。
乳鉢で削った際に強い力がかかったことで、薄皮の一部が破れてしまい、水分を吸って膨張したことで割れてしまったのかもしれません。
種皮を取り除くこと自体は効果的に思えますが、その処理方法は検討する必要がありそうです。
春眠暁を覚えず。
種子にも早く起きてほしいものですが、無理に叩き起こすのも成果が上がらないようです。
(安藤匡哉)
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