セネッティは、サントリーフラワーズ株式会社が開発した園芸品種。従来の園芸品種にカナリア諸島原産の野生種をもう一度交配して作出されたものです。セネッティは、キク科ペリカリス(Pericallis x hybrid)に属しますが、この品種が出回る前は、サイネリア、シネラリアと呼ばれる矮性の園芸品種が主流でした。こちらの品種は、開花期が短く性質も弱いため、近年、出荷量は以前に比べてかなり減ってしまいました。
‘セネッティ ラベンダーバイカラー’
‘セネッティ レッド’
先週は、園芸学科2年生の実習で、このセネッティの切り戻しを行ないました。切り戻しの目的は、観賞期を過ぎた花や花茎を切除し、新しい枝を伸ばしてその枝先に花を再度着けさせるために行います。
そのためには、まず、切る位置を確認する必要があります。どの位置で切って芽を伸ばすのか、どの高さで花を着けさせるのか・・・? 今回は、株の1/2の高さの位置の葉のすぐ上の部分で切ってもらいました。慎重に、同じ高さになるように、葉柄を切らないように、外側に向いた芽のすぐ上で切るように・・・。気を付けることが沢山あります。
その説明の中で、「ペリカリスの故郷のカナリア諸島に行ったことがある人?」と尋ねると、1人手を挙げる学生さんがいらっしゃいました! 観光旅行で行かれたようですが、園芸学部の学生さんもなかなか積極的ですね。海も良さそうですが、ペリカリスの自生している様子も見てみたいですね。
最後に全体のバランス(高さ)を整え、
株元に置き肥をしたら作業完了です。
今後、温室内で通常の管理を行なえば、2か月後には満開になります。ご家庭では、咲き終わった小花を一つずつ切り取り、その花茎(枝)に花がなくなってしまったら、1/2ほどの位置で切り戻して下さい。置き肥もしくは液体肥料を与えて管理すれば、再度花を楽しむことができます。丈夫でボリュームもあり、見ごたえのある花ですね。
(渡辺 均)
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