2018年9月24日月曜日

日本生薬学会での発表と雲州人参の調査

915日~16日は、安田女子大学(広島市安佐南区)で開催された日本生薬学会へ参加し、発表を行なってきました。



安田女子大学のキャンパス内には、ペチュニア‘サフィニア レッド’の鉢植えがずらりと並べられ、手入れの行き届いたキャンパスでしたが、ついつい、水やりが大変だろうな~と思ってしまいます。職業病ですね。

ところで、学会での私たちの発表課題は2題・・・

「フタバムグラ ( Hedyotis diffusa Willd. ) の施設栽培に関する研究(第3報)~ 異なる波長分布を有する光源による生長の違い ~」

「オタネニンジンの休眠生理解明による育苗期間短縮技術の開発」

両課題とも、学会員の方々から今まで以上に高い関心を頂きました。ポスターの前で45分間しゃべり続けました。

その後、高速バスで広島から米子へ移動し、大根島(島根県松江市)で栽培されているオタネニンジン(雲州人参)の現地調査に参加しました。

この研究は、農水省の委託研究費で行なわれている5年間のプロジェクトで、今年はその3年目にあたります。メンバーは薬学、土壌学、作物学、植物生理学、植物栄養学、園芸学など、農研機構や福島県立医科大学、福島県の研究職と私たち(千葉大学)で構成されている異なる専門分野の研究者が集まった通称「人参チーム」です。



先週訪問した会津の人参栽培とは、日除けの方法が違います。こちらはクリの木の柱に竹を渡し、屋根に麦藁をかけて雨を除け、その上に寒冷紗をかけています。人参の屋根用の麦藁もそのために栽培されているものです。

また、会津と違って機械で掘るのではなく手掘りです。もちろん連作はしませんが、13年~14年間隔で同じ土地で人参を栽培しています。その間はムギ、シャクヤク、ボタンなどを栽培しています。

 
手で掘ります。

江戸時代から続く人参の産地である会津、信州(長野)、雲州(島根)の各栽培地を訪ね、植物体や土壌をサンプリングさせて頂き、未解明な部分の多いオタネニンジンの生理や生態を解明し、新たな栽培技術の確立を目指しています。



 (渡辺 均)

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