冬の花壇苗といえば、
パンジー、ビオラ、アリッサム、プリムラ、キンセンカ、、、
雪の降らない地域では、意外と多くの品目が
秋から春にかけて継続して花を咲かせてくれます。
これらの植物は、本やインターネットでも
おおよそ「耐寒性が強い」と書かれています。
でも、
耐寒性が強い = 寒い時期にも植付けてよい
とは単純には言い切れません。
最初に挙げた植物も、
まだ暖かい、もしくは涼しくなりかけの秋に植え付けてあれば、
徐々に下がってくる気温に合わせて寒さに強い株になってきます。
けれど、冬、保温性の高い温室から急に外に出せば、
翌朝には寒さで傷んだり、霜焼けしたりしてしまいます。
人が風邪をひくのと一緒ですね。
乾いていないのにぐったりしたプリムラ
一部霜焼けしたマーガレット
ですので、11月下旬~3月上旬に
出荷しなくてはならない花壇苗や鉢物は、納期が近づいたら
ハウスを移動したり、加温機の設定温度を下げたりと、
徐々に寒さに慣らしていきます。
このように環境に適応させていくことを順化(ハードニング)と呼びます。
最初から、外で栽培すれば良いじゃないかと思うかもしれませんが、
気温が低いと、生育も緩慢になりがちで、
栽培期間をハウスの1.5倍くらいとらなくてはいけません。
さらに、葉色や花芽に寒さの影響を受けやすく、
葉が黄色っぽくなったり赤っぽくなったり、
新しい花がなかなか咲かなかったり、蕾が枯死してしまったり。。。
ですので、ハウスの中で大きくして花芽を付けさせ、
株を良い状態にしてから、順化という作業が必要不可欠なのです。
個人的には、霜の降りるこの時期には
外への植付けはおススメしません。
イベントや捕植などで、どうしても!という場合には、
不織布や敷藁などで霜除けを。
苗生産部では、出荷前の10日間は、雨除けハウスに置き、
昼間はしっかり日に当てて(写真左)
夕方から朝までは、不織布で覆っています(写真右)。
(池田)
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