2013年9月9日月曜日

学会発表(日本生薬学会編)

9月7日(土)~9月8日(日)まで北海道医療大学で開催された日本生薬学会第60年会に新藤研究員とともに参加し、研究成果を発表してきました。



発表は3課題です。


①オタネニンジン栽培の効率化:オタネニンジンの光合成特性



 現在でも江戸時代から続く伝統的な栽培方法に基づいてオタネニンジンは生産されていますが、実際に長野県の生産者の畑に行って、播種から1年目、3年目、5年目の個体の光合成特性を調査しました。

その結果、オタネニンジンは典型的な陰性植物でしたが、葉物野菜の幼苗の光飽和点とほぼ同じ範囲内であることが分かりました。

さらに、葉面温度が一定温度以下の条件を整えれば、より強い光を照射するとさらに高い光合成を示すことが明らかになりました。

つまり、室温をコントロールできる場所であれば、今までの栽培よりもっと強い光環境下で育てた方が生育が格段に促進されるということです。


 
②オタネニンジン栽培の効率化:光強度およびCO2施用が生育に及ぼす影響



 上記の①の結果を踏まえ、種子を播いてから収穫まで4~5年かかるオタネニンジンをできるだけ短期間に生産させる環境条件を探すため、光の強さやCO2濃度を変えることで生育をスピードアップできないかという研究です。


結論から申しますと強い光を当てることで、従来の栽培方法と比較して半分の期間で根を太らせることができることがわかりました。





③国産カラスビシャク(Pinellia ternata )の栽培化に関する研究


 生薬原料として大量に消費されているハンゲ(サトイモ科カラスビシャクの生薬名)ですが、ほとんどが中国からの輸入に頼っています。

塊茎(イモ)を乾燥させたものを漢方薬として使用しています。

カラスビシャクは、田の畔や畑の雑草として私たちの身の回りでも良く目にする植物です。

この植物を国産化し、生薬原料として安定的に供給できないかという研究の第一段階として、日本各地からカラスビシャクの系統(個体)を集め、その生育と生薬原料としての適性を検討しました。


その結果、自生する地域によって形態は大きく異なり、葉の形状や葉柄の大きさと塊茎の肥大生長に関連があることが分かりました。また、生薬として使用できる系統を見い出すことができました。








北海道医療大学の薬草園に植えられていたカラスビシャク





どの課題も地道な日々の観察と努力によって、少しずつその植物の特性が明らかになってきました。


この結果を踏まえ、さらに新しい栽培技術の確立や栽培化(国産化)を目指していきます。






  (渡辺均)

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