2013年9月2日月曜日
ジャスミン(花の香りと人の記憶)
近年、香りに関する研究の進展は著しく、その中でも、香り(香気成分)が人の意識や体に及ぼす影響についての研究報告例を多く目にするようになりました。
理論的には人が香りを嗅ぐことで、人の意識や行動をある程度無意識に制御できるそうです(そんなことは、実際にはされたくありませんが・・・)。
柏の葉の花卉研究グループでも、卒業論文のテーマとして花の香りの研究を行なっています。
花卉類を観賞植物といいますが、花を観賞するだけではなく、花の香りも花卉の商品性を高める一つの重要なアイテムになると考えています。
私たちの研究は、その植物の放つ香気成分の同定と発散リズムの解明を行なっています。
一般に人の幼少期は、味覚や嗅覚、触覚や聴覚が無意識のうちに脳に記憶される時期であり、その記憶が大人になった時に、ある香りを嗅いだり、何かを食べたりした時に不意に子供の頃の記憶が蘇ることがあります。
その人の地域性や属性というのは、このような記憶や感覚の積み上げであり、ごく小さな子供の時からその記憶形成(=人間形成)がスタートしていると言えます。
私の花の香りの記憶というと、スイセン、ライラック、ミカン、クチナシ、それとジャスミンです。
これらの花の香りを嗅ぐと今でも子供の時にその花を嗅いだ時の季節や風景などの記憶が蘇ります。
香水やお茶の香りづけなどに利用されるジャスミンは、J. officinale L. (ソケイ)が有名ですが、近年は、Jasminum sambac Soland.(マツリカ)も多く出回るようになってきました。
2種の香りは明らかに異なりますが、日本人はマツリカの香りの方を好むようです。
主要香気成分は、ソケイはベンジルアセテートやベンジルベンゾエート、マツリカはリナロール+2-フェニルエチルアルコールやベンジルアルコールです。
マツリカは、ジャスミン茶の香り付けにも多く使用されています。
最近の報告では、ダニ類の殺虫効果があったり、ジャスミンの精油を用いた入浴効果(リラックス効果、リフレッシュ効果)、ジャスミン茶の香りが精神効果や作業効率に与える影響についても報告されています。
また、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、古くから薬草として利用されており、その薬効成分が近年明らかになってきています。
J. officinale L. ソケイの斑入り品種
Jasminum sambac Soland. マツリカ
Jasminum sambac Soland. 八重咲き品種
ジャスミンの花は東南アジアのマーケットでは、良く目にします。
袋詰めにされて売られていたり、花屋さんや子供達が花輪にして街頭で売られています。
花輪は次の日までしか楽しむことができないそうです。
ジャスミンは一日花でしたね。
ジャスミンの花の量り売り
とても良い香りがするジャスミンの花輪
皆さんにこの花の香りをお届できないのが残念です。御自宅でこの花の香りを少しでも楽しんで頂けるよう、只今温室で増殖中です。
香りのある花はまだまだ他にもたくさんあります。抽象的な表現ですが、花は身近にありながら ‘人の五感’を刺激し‘人の記憶’を形成する、私たちになくてはならないものの一つではないでしょうか。
(渡辺均)
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