9月10日~11日に名古屋市内の名城大学で園芸学会秋季大会が開催され、当研究グループも8課題の研究発表を行なってきました。その合間に園芸別科花卉専攻(花組)修了生の平野園芸の平野修司さんを訪ねました。
花組組長として一時代を築いてから16年。平野さんも彼が学生だった頃の私の年齢に到達していました。時(とき)は皆に平等ですね~。
平野園芸は愛知県海部郡飛島村で施設と露地を合わせて1ha弱の敷地にポインセチア約6万鉢とレウコフィラム(ゴマノハグサ科 Leucophyllum)、ライスフラワー(キク科 Ozothamnus)やミニバラなどの鉢花をご家族とパートを雇用して生産しています。
ちなみにこの飛島村は人口4,500人ほどの村ですが、名古屋市内から車で30分ほどにあり、農業も盛んですが、工業も盛んで港湾施設などもあり、日本で最も潤っている村のようです。村の公共施設がみな立派です。
この時期の平野さんの施設内は、ほぼポインセチアで埋め尽くされていました。灌水や追肥は底面灌水システムで自動化され、短日処理以降の高夜温の際は、ヒートポンプで夜間冷房もされているようです。露地にも底面灌水システムを導入し、スプリンクラーでの灌水も含めて、手灌水の部分がほとんどありません。灌水作業にできるだけ人手をかけず、栽培管理に人手を集中させる合理的な考え方ですね。
施設内や露地の通路はコンクリートが打たれ、台車やトラックでの運搬が可能で、作業性も考慮されていました。また、栽培管理や衛生管理についても良く考えられており、植物にも施設にも細かな目が行き届いている印象を受けました。
ハウス内の底面灌水用ベンチ上に整然と並べられているポインセチア。生育も揃っています。
ポインセチアはハウスごとに出荷時期や鉢サイズ、品種を分けて管理されています。
出荷を待つレウコフィラム。露地栽培でも底面灌水装置を使っています。後方が栽培ハウス。
平野さんの考え方は、「ハウスと露地をうまく組み合わせ、品目数をある程度絞り込み、時間をかけて良いものをしっかり作り込み、単価に結び付けていくこと」でした。
しっかりとした意識と方向性が栽培されている鉢物にも見て取れます。また、レウコフィラムやミニバラなどは露地でしっかり作り込むことで、丈夫な鉢花としても消費者や小売店に差別化され認知されているようです。鉢花で消費者に届いてからのことまで考えて生産している生産者はどれくらいいるのでしょうね。
昨今は、基本的な植物に関することや栽培技術を学ばず、親や従業員に生産を任せて販売や経営に走る若手生産者も多い中、平野園芸は親からの技術継承もきちんと行われていました。また、平野さんが日々しっかりと植物と向き合うことで、新しい考え方を生産現場に取り入れ、「植物の作り」にこだわる若手生産者として、今後のますますの飛躍が期待されます。
ちょっと古い内容になってしまいますが、2011年の「花葉」に平野さんに書いて頂いています。こちらの記事もご参照下さい。
http://www.kayokai.net/kayo/30/30_21-23.pdf
(渡辺 均)
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