2016年8月24日水曜日

見た目と中身

 台風が順番待ちをしているかのように、過ぎ去ったと思ったら次の台風の出番が訪れる季節となりました。

 お出かけの際には足元だけでなく、折れた木の枝などにもお気をつけください。

 さて、昨日の記事にもありますように、ここ苗生産では観賞用の花卉類だけでなく、皆さんの健康に関わる機能性植物(薬用植物)も取り扱っています。

 何度かブログにて紹介させていただいた私の研究植物である「ダンギク」もまた、そのような機能性植物の一種です。



 これまでに、国内における自生地の長崎県および鹿児島県においてフィールドワークを行い、それぞれの地域から109の地点にてダンギクの自生を確認しました。


 主に陽当たりの良い岩場に自生個体の多いダンギクですが、その自生環境も山の中にぽっかりと開いた岩場であったり、海岸沿いの潮風が吹きすさぶ岩場であったりと様々です。

 これら各地点から採取した種子を、自生環境の影響を除いた同じハウス内において栽培したところ、多様な草姿や花色の濃淡がみられました。



 これらの違いは、様々な環境に適応して生き残ってきた結果だと考えられ、江戸時代から仏花や観賞植物として利用されてきたダンギクの育種素材としても活用できると考えられます。

 国内では西九州の一部でしか自生が確認されておりませんが、おとなり中国では各地に自生している様子が確認され、古くから月経不順やリウマチ痛などに対し薬効のある民間薬として用いられてきたそうです。

 これらの薬用成分に関して報告はあるのですが、それはあくまでも1つのサンプルを用いてのおはなし。


 多様な形態を示す、それぞれの地点におけるダンギクの個体間では、もしかすると薬用成分の構成や量に違いがあるかもしれません。

 大きな見た目の個体ではそのまま中身の薬用成分の量が多いのか、それとも厳しい環境で生き残ってきた個体の方が多いのか。


 ダンギクを観賞植物としてだけでなく、機能性植物としても利用していくために、見た目だけでなく「中身」にも注目して研究していきます。

(安藤 匡哉)


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