2020年7月20日月曜日

揃った花が良い花?

私が教わった偉い先生の講義では、花数、花色、生育(草丈・枝数)などが揃った切花、ポット苗、鉢花が最低限の品質だと教わりました。これからは、花の大量消費の時代だと! 現在も、花卉・苗生産部では、そのように努力をして出荷する製品の均質化に努めているのも事実です。
その考え方は、生産者→市場→小売店、もしくは公共緑化等の造園向けに大量に消費されるポット苗で、長年行われてきたことですが、一般的な消費者が求めている花は、必ずしもそうではありません。

草姿の大小、花色のばらつき(変異)、生育ステージの早晩など、出回る花にもっとバリエーションがあっても良いのかも知れません。
以前のブログにも書きましたが、植物成長調整剤(通称:矮化剤)が効き過ぎて、草丈が異常に低い花壇苗や鉢花が数多く流通しています。このような植物を購入し、しばらくすると急に薬が切れて伸び出し、枝があばれて対処に困ってしまう方もいらっしゃいます。生産と流通のみを意識した栽培方法が今でも慣習として行われています。

最近の地域の花壇活動に使われる花でも、1トレイに46色入ったシリーズもののポット苗は嫌われます。花壇のデザインがしにくく、せっかく作ったのに花壇の特徴が表現できない(他の花壇とあまり変わらない)という理由からです。また、自治体が安価なポット苗を仕入れて提供するため、定植後の生育が悪く、上手く育たないなどの問題も散見されます。



1トレイに6色詰められたニチニチソウのポット苗(市場出荷向けの実習)
2019年7月撮影


おなじ品目の花が1トレイに詰められていても、微妙に花色や草姿が違っていれば、消費者の選択肢はより広がり、その用途の可能性も広がるのではないでしょうか。最近の自粛による家庭内消費の増加により、園芸植物に対する消費者の関心が高いのも事実です。その需要に対して、単なる一時的な売りっぱなしで終わらせてしまうのか、きちんとその需要をつかむのか、生産、流通、販売に関わる業界人の今後の対応次第ではないでしょうか。
もう、新たな消費者の心をがっちり掴んでいる生産者も現れているようですが・・・。

 

(渡辺 均)
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