2020年6月1日月曜日

シクラメンの栽培工程の簡略化

花卉生産を行なう上でも、品質を維持しつつコストの削減は必須の検討課題です。種子蒔きから出荷まで、およそ1年をかけて栽培するシクラメンは、栽培期間が長く、様々な工程を経て栽培されるため、多くの時間と人手がかかります。最近の販売単価の低下も伴って、シクラメンでも小鉢化や葉組みを行なわないなど、これまでにない低品質の鉢が出回り、それがさらに消費者離れにつながっているのではないかとも考えられています。

できるだけコストをかけずに良質な鉢花を作る。このシクラメンの栽培工程をいかに減らすか? 

最近の花卉・苗生産部の研究で、灌水の用水中に酸素を添加させることで、大幅に生育を促進させることがわかりました(以下をご参照下さい)。

これまで、シクラメン栽培では3回の植え替えを行なってきました。
播種 → セル成型苗 3号ポット → 4.5号硬質ポリ鉢 → 6号仕上げ鉢


左から3号ポット、4.5号硬質ポリ鉢 、6号プラスティック鉢


昨年、酸素水を使用して、上記の工程で栽培を行なったところ、生育が大幅に前進したため、4.5号硬質ポリ鉢で栽培する期間が1ヶ月ほどしかありませんでした。

そこで今年は!
播種 → セル成型苗 3号ポット → 6号仕上げ鉢



4.5号硬質ポリ鉢に鉢増しする工程を飛ばし、3号ポットから仕上げ鉢に直接植えることにしました。これまでより、2ヶ月近く仕上げ鉢に植え込む時期が早まりました。


鉢増し前の3号ポット苗


6号仕上げ鉢(鉢増し直後)


この新しい栽培方法で、夏前までに充実した株に仕上げ、夏の猛暑による株の消耗をできる限り防ぐことで、9月以降の新葉の展開を促し、11月以降の着花数の増加につながればと考えています。


鉢増しが完了し、ハウス内に並べられたシクラメン
 

 今年のシクラメンの出来栄えは、毎年12月の第一土曜日に開催されるシクラメン祭でご確認下さい。まだまだ道のりは遠いですが、その間も地道な努力が続きます。



(渡辺 均)
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