2020年6月9日火曜日

バリカタでお願いできますか?ケイ素の話

 今日の話題は、ラーメンではありません。ケイ素と植物の茎の話です。
 以前より、ロングポットで管理してきたトルコギキョウですが、背が高くなり、一部の品種は、ひょろひょろとしてきました。そこで、今回は、簡易的にフラワーネットを設置し、ケイ素剤を添加!

 ポット栽培ですので、トレーを上手く活用し、ハウスに鉄棒を打ち込むことなく、簡易的にフラワーネットの設置が完了!少し張りが弱いですが、まぁ良いことにします。笑

 こちらがサカタのタネさんから発売されているケイ素剤。今日のブログタイトルの由来です。結構いい値段します。笑


 さて、植物にケイ素?とお思いの方もいらっしゃるかと思いますので、少し、ケイ素(Si)の話をします。今回ご紹介する内容は、植物栄養学 第二版(間藤ら, 2010)に掲載している内容を参考にしていますので、興味のある方は、そちらをご確認ください。

 ケイ素は植物にとって必須元素としては認められていませんが、ストレス耐性の向上等に効果があるとされています。特に、イネや切り花においては、倒伏の防止や茎をしっかりとさせることに役立ちます。全ての切り花に効果が絶大!という訳ではなく、植物種によって、ケイ素を吸収する割合(植物体のケイ素濃度)が異なります。そのため、よりケイ素を吸収する植物種において、このような資材が有効に作用すると考えられます。
 植物はケイ素をケイ酸の形で吸収し、その吸収機構(トランスポーターなど)も明らかになりつつあります。大変興味深いことですが、このトランスポーター遺伝子(意訳:ケイ酸を吸収するゲートをつくる遺伝子)は、根の先端よりも基部に多いそうです。つまり、ケイ素剤は、根の先端に与えるのではなく、根の基部に与えることが有効であるといえます。
 この吸収されたケイ素は、シリカとして細胞や細胞外に沈積することで、物理的な強度が高まり、耐倒伏性などを獲得するそうです。

 ケイ素もまた、とても面白い元素です。例えば、様々な切り花を同一のケイ酸濃度環境で栽培させ、茎の変化やケイ素濃度を測定すれば、どのような種にケイ素剤が有効であるかがより明確になるかもしれません。逆に、ケイ素濃度が低い植物では、なぜ吸収しないのか?ということを調べられると、打開策が見つかるかも知れませんね。

 いつも真面目ですが、今日は特別真面目な話になってしまいましたので、バリカタラーメンでも食べてリセットすることにします。笑


(黒沼)



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