前回の「花の香りに酔い痴れて」シリーズの更新の際に、私が紹介した「重陽(ちょうよう)の節句」は9月9日(月)でしたが、実はこの日、非常に悲しいことに、台風15号が千葉県を直撃しました。
千葉県北西部にある千葉大学環境健康フィールド科学センターでも、薬草園の樹木の枝が折れたり、温室の屋根の留め具が外れたりする被害が出ましたが、北西部以外の地域では、倒木などによる長期停電がいまだに続いているとのニュースを耳にしました。
被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
さて皆様、お気づきでしょうか?
花卉・苗生産ブログの「花の香りに酔い痴れて」シリーズも、ついに20回目の更新です。
身近な植物では「ラベンダー」や「ローズマリー」、少し変わったものでは「ニオイバンマツリ」や「カワミドリ」など、芳香性を持つ植物を沢山ご紹介してきました。
記念すべき第20回の今回は、ジャスミンをご紹介いたします。
千葉大学環境健康フィールド科学センターのハウス内に、ジャスミンがあります。
ジャスミンJasminumは、モクセイ科ソケイ属の植物の総称です。
ソケイ属は約200種の植物から成り、熱帯地域から温帯地域まで幅広く分布しています。
ジャスミンの中には、キソケイJasminum humile var. revolutumやオウバイJasminum nudiflorumなどといった、黄色の花を咲かせる種も存在しますが、今回観察を行ったジャスミンは、白色の花が咲くマツリカJasminum sambacでした。
マツリカは、半つる性の常緑性低木に分類される植物で、一重の花を咲かせるものと八重の花を咲かせるものが存在しています。
マツリカの葉を観察してみると、対生(1対の葉が向かい合って1つの節につくこと)であることが分かります。
また、皆様ご存知の通り、ジャスミンには芳香性があります。
しかし、ジャスミンの仲間でも、種が異なると香りも異なるため、ジャスミンティーの香りづけには、マツリカの花を使用し、精油(エッセンシャルオイル、植物の芳香物質を抽出したもの)には、ソケイJasminum grandiflorumの花を使用します。
実際にマツリカの香りを嗅いでみると、ジャスミンティーを思い出させる、濃厚で甘い香りがしました(私個人の感想です)。
このジャスミンの香りには、「ストレス解消効果」や「リラックス効果」があるとされています(個人差があります)。
ゆっくりと温かいジャスミンティーを飲むことで、たまった疲れを癒してみるのはいかがでしょうか。
(学部4年:下重)
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