2019年7月24日水曜日

黄金色のめでたい花

 重たい雲の隙間から、ようやく陽の光が差し込む日が増えてきました。
 夏に活気づく植物、気分上々の人々を見るのは心地の良いものです。
 それはそれで植物の灌水頻度と自身の吸水頻度が上がるので、喜ばしいことだけではありませんが…。


 そんな夏に向けて、黄金色に輝く花が、さらにめでたいカタチで咲き始めています。




 こちらはキンミズヒキAgrimonia pilosa var. japonicaというバラ科キンミズヒキ属の多年草です。
 日本では全国各地のやや山寄りの少し湿った道端でみかけられる植物で、夏から秋にかけて小花が密に連なった総状花序(短いながら花柄あり)がみられます。




 名前の由来は、その花穂から金色の花を咲かせるミズヒキPersicaria filiformisという植物にたとえたものですが、キンミズヒキはバラ科であるのに対し、ミズヒキはタデ科の多年草。

 上下で色の異なる紅白の小花を咲かせるミズヒキのほか、白花をつけるギンミズヒキ(銀水引)もタデ科の仲間で、どれも似た花穂をつけますが、キンミズヒキの葉はバラ科らしく粗い鋸歯がみられるため、見分けるポイントになりますね。

 ミズヒキの名の由来は、その花穂の見た目から、祝儀などで利用される水引に似ているため。
 水引は一概にめでたいことのためだけではありませんが、ミズヒキの紅白やキンミズヒキの金色は、慶事に利用される水引の色であるため、めでたい花といってもよいかもしれません。

 キンミズヒキの全草を乾燥させたものは、仙鶴草(せんかくそう)または龍牙草(りゅうげそう)という生薬になり、煎じた液は止血剤やかぶれに塗布して用いられたり、服用することで整腸薬としても利用されます。
 入浴剤としても効用があり、疲労回復に繋がるとされています。


 めでたく綺麗な花を咲かせ、薬用効果もあるキンミズヒキ…ですが、秋になり結実した果実は俗にいう「ひっつきムシ」タイプの厄介者の面も持ち合わせています。

 見た目よしなキンミズヒキ。
 今の時期はその姿を楽しむことにしましょう。
(安藤匡哉)

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