2017年12月20日水曜日

ロシア・ウスリースク訪問 その10


 今年も残すところ10日あまりとなりましたが、あいも変わらずロシア紀行のご報告を。
 前回は都会の中でのひと時でしたが、今回は自然豊かなアカデミーの実習林訪問のお話です。



 森のなかで行われる講義、青空教室よりもさらに自然と一体化したカタチですね。

 ご案内いただいたのは、森林学・森林環境学を専攻しているアレキサンドル先生。



 実習林といってもあまり人の手が入っていない森林のため、アップダウンの厳しい道を歩くことに。
 歩きながらロシアの森や実習林について語ってくれましたが、息も絶えだえ、ついていくのがやっとでした。

 こちらの実習林では、森林内の生態調査をおこなったり、持続可能な正しい木材の利用方法を学ぶほか、山火事への対処法なども学習する場になっています。



 森林に設置されたネットからは、年ごとに回収、落ち葉の種・量、種子量などを調査しています。

 ここロシア極東では山火事が多く、サファリパーク見学の時にも紹介しましたが、山の南側斜面のほとんどがカシワの類が生えており、方角的に春の雪解けが早く、乾燥することで火災が生じやすい環境になってしまうとか。
 火災の原因は自然発生することもごく稀にありますが、ほとんどの場合は人為的なもので、タバコの吸殻やたき火の不始末が主な要因となっているようです。

 こうした火事への対処法を学ぶといっても、火を止める手段を訓練するわけではなく、火事が終わり、木々が失われた箇所における早期回復を目指して、植樹について学び実践しています。





 実習林のふもとには、植樹用の苗木を栽培しているほか、それらの種子庫もあり、株年数ごとに植付とその後の生育を評価しています。
 これらの種子は実習林内や近隣の同種から採種していることから、各地域の系統が入り混じってしまうといったリスクは避けられるようです。



 そのほか、林床の区画にオタネニンジンの試験栽培圃場がありました。


 現在地上部がほとんどみられないため、みんなで必死にニンジンを探しますが…やはり一番に見つけたのは新藤先生でした。



 ここで育てている系統は韓国産のものでしたが、比較用のサンプルとして地元産のオタネニンジンをちょうど保持しているというお話があったため、それを見せてもらうことに。

 あまりイメージにあるような太い根ではないですが、芽の出る位置を考えるとすでに十数年が経過している個体というから驚きです。
 自然の中で生長した個体を生で見たのは新藤先生も初めてということで、非常に貴重な経験となりました。




 森の中を歩き回った後、突如ギターを取り出し、陽気に歌を歌ってくれたアレキサンドル先生と映画のセットのような食べ物の並んだランチを楽しみながら、日本とは少し違った風景を眺めていました。


(安藤匡哉)

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