2017年12月5日火曜日

栽培・育種学実験その4

 先週の栽培・育種学実験では、これまで得られたデータを統計専用のソフトを用いて、解析しました!
 細かい話はしませんが、研究では得られたデータを統計解析し、統計的に差があるのかどうかを確認する必要があります。では、これまでの実験での結果を、見てみましょう!
    チップバーンが発生したトルコギキョウ‘あずまの薫り’の葉の先端部と基部の窒素含有率の違い
 この結果から、‘あずまの薫り’については、葉先と基部で、窒素含有率に違いがみられませんでした、そのため、窒素は葉先に移動しているが、カルシウムは葉先に移動していないと考えられます。(カルシウムの分析をしなければ、正確なことは言えませんが…)実験の背景等はこちら

    異なる灌水環境下におけるトルコギキョウ‘海ほのか’の形態的特性


 この結果は、前回のブログでの仮説(根重量比が乾燥区の方が高くなる)とは異なる結果になってしまいました。汗
この原因として、トルコギキョウは強い乾燥状態に遭遇すると、半ロゼットと呼ばれる状態になることが知られています。これにより、水の不足に対し、形態的な応答よりも、生理的な応答によって、乾燥によるストレスを回避したと考えられます。つまり、水を得るために、根を伸ばすのではなく、植物体内の水分の消費量を極端に下げて、耐え忍んでいる状態であったと推察されます。一方で、湿潤区では、軽度の乾燥ストレスがかかってしまったため、形態的な応答により、根重量比が増加したのかも知れません。
 結論を申し上げると、トルコギキョウはこの実験には、適していなかったと考えられます大汗

 実験は、仮説の通りに結果が出ることも、そうでないこともあります。今回の②の実験のように、仮説とは異なる結果が出た時、どのように考え、考察し、次へ繋げるのか?が非常に重要になってきます。
 実験に取り組んだ3年生や自由研究に取り組む小中学生には、そのようなことを考えることこそ重要であると、解釈してもらえれば、良いのですが…
今回の実験では、すべて言い訳のように聞こえてしまいますね。苦笑


黒沼

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