2016年5月17日火曜日

アルゼンチンで


先週はアルゼンチンに渡り、現地研究機関で開催された、中南米各国の植物に関連する研究者が集まる研修会で、3日間にわたり、主に花卉の育種と遺伝資源の利用について、講演をさせて頂きました。




アルゼンチン、ブラジル、チリ、ペルー、パラグアイ、メキシコ、キューバから集まった皆さんです。



まだ、独自に花の育種に取り組んでいる方は少数でしたが、自国の自生植物が遺伝資源として活用できるチャンスはたくさんあります。
実際に、日本も含め、世界中には中南米原産の花卉品種が数多く流通して、親しまれています。
3日間、集中して聞いてくださり、ご質問もたくさんいただきました。

また、現地の花卉市場や生産地を視察し、生産者の方々にもお話しさせて頂く機会を頂きました。


アメリカやヨーロッパ、アメリカの花卉消費、生産、流通などの現状についてお話しさせて頂きましたが、活発に議論がなされていました。

アルゼンチンでも、セル成型苗や、接ぎ木苗の生産を大規模に行う生産者さんが現れてきています。
この生産者さんでは、バラやガーベラの切花生産を行いながら新たに投資をして、組合を形成して野菜のセル成型苗や接ぎ木苗の生産を始めています。




市場では、最近はサボテンや多肉植物が流行だそうで、数多く販売されています。
若い人たちは栽培に手間のかからないこれらの植物を好む傾向にあるとのことです。





市場内や、町のお花屋さんを見てみても、まだまだほとんどが、日本やアメリカ、ヨーロッパで育種された品種たちです。









アルゼンチンでは上述の研究機関で自国の遺伝資源を利用した花卉育種を進めており、世界で販売される品種も育成されています。また、アルゼンチン国内での普及にも努めておられます。

今回お話しさせて頂いたことが、他の中南米の国々でも、少しでも、自国の遺伝資源を見直したり、独自品種の育種に取り組まれるきっかけになれば幸いです。

自分たちの品種で自分たちの国を飾る、そして海外の街角でも自分の品種を見かける、そんな風になって欲しいなと願っています。

私にとっても、本当に、大変よい機会となりました。


(金谷)

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