花卉・苗生産部の生産品目からご紹介。
この花、ご存じですか?
この時期、よく園芸店の店先で見かけますね。
そう。インパチェンス(Impatiens walleriana)。
アフリカ原産の野生種に改良を重ね、できた品種群です。
お求めやすいお値段の品種が多いですが、直射日光と暑さには強くないので、半日陰で育てるのがおすすめです。
インパチェンスと言えば、他にこんなのもありますね。
ニューギニアインパチェンスです。南アジア原産のImpatiens hawkeriなどを元に、交配・育種されてきた品種群です。少しいいお値段の品種が多いです。やはり直射日光と暑さには弱いとされ、一昔前は主に鉢物用として栽培されてきましたが、近年では暑さや直射日光にも強い品種が作出され、ガーデン用としても人気が高まっています。
この両者、花を比べてみるとこんな感じ。
左がニューギニアインパチェンス、右がインパチェンスです。
よく似ていますね。
で、側面を見てみるとこんな感じ。
変な形をしています。下に伸びる尻尾。これ、「距(きょ)」と言います。Impatiens属の特徴の一つです。ここには蜜が溜まっていて、口の長いチョウやガに適した形になっています。
他にはホウセンカ(Impatiens balsamina)もこの属に含まれます。
もし、ご家庭や学校で育てていたら見てみてください。花の裏。「距」があるはずです。
ところで、日本にもImpatiens属の植物が自生しています。
ツリフネソウ (Impatiens textori)やキツリフネ (Impatiens noli-tangere)。変な名前ですね。
トレッキングなどで山に行くことがあれば探してみてください。標高の高いところなら7月中旬頃から、低いところなら9月ごろから川沿いの森林の下などでピンクや黄色の花を咲かせます。近寄って「距」があるか、確かめてみてください。そして花をよく見ればこの変な名前の由来がきっとわかります。
名付けた昔人は想像力が豊かです...
��金谷)
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