2017年9月22日金曜日

種内間差の一例


 こんにちは。学部4年の丸山です。

 このブログで何度も紹介されており、自身の研究植物でもあるこちらの植物が開花期を迎えています。


 シソ科のダンギク(Caryopteris incana)です。

 絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、西九州に自生している植物ですので、関東で一度にたくさんのダンギクの花を見ることができるのはとても貴重ですね。
 「段菊」の和名の通り、青紫色の花房を段状につけるのが特徴です。
 菊と名がついていますが、キク科というわけではなく、葉が菊の葉に似ていることに由来します。





 こちらの写真は、左側が長崎県対馬北西部に自生する系統で、右側が長崎県本土北西部に自生する系統です。

 若干ですが花色に違いがあるのがお分かりいただけるかと思います。
 花色のほかにも、草姿や開花期などにおいて自生集団間での系統差があることが明らかとなっています。

 もちろんダンギク以外にも地理的な種内変異が明らかとなっている植物は数多く報告されていますが、実際に見てみるととても興味深いですね!


 西九州の自生地では、大学内のような良い環境で自生しておらず、海岸地や山間地の露岩地といった土壌が少なく乏しい資源環境の中に自生しています。


 この特性から、環境ストレス耐性にも自生集団間に系統間差があるのではないかと考え、現在卒業研究のテーマとして実験を行っています。




学部4年:丸山

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2 件のコメント:

  1. いつも楽しみに読ませていただいています。

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    1. 種内間差の一例へのコメントをありがとうございます。
      今後とも苗生産ブログの応援を宜しくお願い致します。

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