朝晩の冷え込みを感じる季節となりましたが、厚手の布団を出すにはもう少し、という気温ですね。
季節の変わり目の風邪にご注意ください。
さて、先日のブログにて、ハウス内のダンギクCaryopteris incana が咲いている様子をご紹介しましたが、薬草園のダンギクも多くの花が咲き乱れています。
紹介にもありましたが、自生地の異なる株ごとで開花のスピードに違いがあり、何段も開花している株もあれば、まだまだ花が開いていない株もあります。
草丈や草姿も違い、コンパクトにまとまる系統や、のびのびと花茎を伸ばす系統など様々です。
ハウス内では鉢という限られたスペースに根域が制限されるため、地上部もある程度の大きさにまでしか育ちませんが、露地では株幅が1mを超えるような大きさにまで生長します。
自生地では岩場に根を下ろすために、鉢植えよりもさらに小さな株にしかなりません。
もうひとつ、ハウス内の鉢との違いとして、蜜の香りに誘われて、非常に多くの昆虫の姿が見られます。
大きな体で花房を揺らすクマバチ(クマンバチ)。
こちらは蛾の一種でしょうか、細かく移動を繰り返しています。
花茎からよじ登って、じっくりと味見をしている甲虫(ハナムグリ)も。
このように様々な種類の昆虫が群がり、また別の株へと移動することで花粉が運ばれ実を結びます。
これら花粉を媒介する昆虫を数多く呼び寄せることができるのは、ダンギクの花序の形態が関わっていると考えられています。
すなわち、ひとつひとつは小さな花でも、それらを密集させて花房を形成することで、大きな体を持つ昆虫でも取りつくことのできる、頑丈なプラットホームとなっているのです。
こうして多種多様な昆虫に花粉を媒介してもらうことで、厳しい自生環境にありながらも、送粉のチャンスを逃すことなく掴んでいるのではないでしょうか。
この花房の大きさも、自生地によって大きかったり小さかったりと多様性を示すことから、それぞれの地域でターゲットとしている昆虫が違うのかもしれませんね。
自生地とうってかわって、じっくりと伸ばした根に支えられた大きな株には、まだまだ昆虫の憩いの場を提供してくれそうです。
(安藤匡哉)
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