植物を育てていると、「ちょっと大変だけど種子から播いて育ててみたい」と思われる方も少なくないはずです。
園芸店などで売られてる花や野菜の種子は、好適条件下に置けば、ある程度の発芽率が見込めます。しかし、自ら採取した種子ではどうでしょうか?その種子について発芽条件に関する情報が無かったらどうでしょうか?うまく発芽させるのは難しそうですね。
「花卉・苗生産部」の名を冠する我がグループに失敗の文字は無い、と言いたいところですが、今回は発芽の失敗例についてご覧いただきます(私個人の失敗ですのであしからず)。
今回紹介する植物はムラサキ(Lithospermum erythrorhizon)です。古くから紫色の染料として知られ、生薬としても使われます。
種子は7月上旬に完熟状態で取り、すぐに播きました。種子の表面は白く硬い殻で覆われています。どうやら乾燥すると白くなるようです。種子は水に漬けるとやや大きくなるので、正常に吸水しているようです。
発芽条件について下調べすることなく、4つの条件を設定して播いた結果が下の写真です。
惨憺たる状況ですね(笑)
ちなみに左のセルトレイから、低温処理、ジベレリン処理、流水処理、無処理(コントロール)です。低温処理とジベレリン処理でやや発芽数が多いようですが、それにしてもほとんど発芽していません。
発芽には、水分、適切な温度、酸素が必須です。明所あるいは暗所で発芽が促進されるものもあります。種子は最適な条件に置いても発芽しないものがあり、そのような状態を休眠と言います。
なぜ今回うまく発芽しなかったのでしょうか?
発芽適温でなかったのでしょうか?低温処理の温度や期間が間違っていたのでしょうか?ジベレリンの濃度でしょうか?それとも休眠していたのでしょうか?
いずれにせよ、発芽しないのには理由があります。
ムラサキは再び開花し、いま種子を着け始めています。
次回の発芽試験の結果や如何に・・・
(新藤 聡)
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