5月だというのに初夏を感じさせる気温の日々が続いています。
地植えした植物たちへの灌水を考えると恵みの雨が恋しいような、外作業が思うように進まなくなる梅雨入りが恨めしいような。
今回は実習ではなく別科生の演習として、切花の品質について説明した後、実際に切花を手に取り、規格や品質を分類してもらいました。
切花の品質を左右する要因として、当然のことながら、生産現場における栽培管理やその条件が大きく関与し、草丈や花のサイズ、花持ち日数などが変化します。
こちらはいつも苗生産にて実感していることではありますが、もうひとつ、生産者の手を離れるところから、市場や消費者に届くところまでの出荷段階においても、切花の品質は大きく影響を受けます。
基本的には食べ物と同じで低温を維持することにより、すぐに開花させず生長を緩やかにしたり、蒸散を抑えて花の萎れを遅くするなどの効果を狙って、品質を保持します。
それに加え、生産者側で切花を収穫した後、市場等に出荷するまでの間に「前処理」として、品質保持剤を水と一緒に吸わせることで、老化ホルモンとも呼ばれるエチレンなどを阻害し、花持ちを延長させることができます。
また、前処理に対する「後処理」には、花屋や消費者自身が花瓶などに挿す際に、加える水に添加してあげることで、花持ちを延ばしたり、水の腐敗を防ぐといった効果があります。
ホームセンターには後処理剤がいくらか流通していますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
このように日々の研究と実践によって、花持ちは昔に比べずっと長くなってきており、皆さんのご家庭で長く楽しめるようになっただけでなく、観賞期間が短すぎて導入が難しかった品目にもスポットが当たり、様々な品目を花屋で見かけることができるようになったのではないでしょうか。
そんな小話の後、実際の切花を使って規格と品質、その他問題点や開花状況など、総合的に評価を行う演習をおこないました。
草丈が長いものと短いもの、花数が多いものと少ないもの、花付きの良いものと蕾がかたいもの…など、様々な要素を比べながら、それぞれタグがつけられた1本1本について、品質をチェック。
微妙な違いに悩みながらも、メジャーと自身の眼を信じて、10数本の切花を分類していきました。
花数が多いのに草丈が短すぎる…など、品質として規格外になってしまう切花もあり、実際市場では安値がつけられる規格・品質と評価されてしまうと思われますが、花首と少しの長さがあれば作ることのできるコサージュなどの小物類、コンパクトなフラワーアレンジメントなど、使用目的によっては草丈がネックにならないものも数多くあります。
皆さんも花屋で一級品から選ぶだけでなく、ややリーズナブルな区画を覗いてみて、自分の家の花瓶のサイズや用途と相談しながら、財布に優しい花選びをこだわってみてはいかがでしょうか。
安藤匡哉
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