2017年5月17日水曜日

見慣れたモノの秘めたるチカラ

 1ヶ月もしない間に、冬服から春服、一足先に半袖まで衣替えを考えるような気温の移り変わりを感じる今日この頃。
 母の日を筆頭に出荷が続く時期でもありますが、その次の生産物の播種や挿し芽による増殖を行う時期でもあります。


 少し前となりますが、発芽室には夏頃の収穫を目指す幼苗や挿芽株のセルトレイが並んでいました。



 イヌホオズキSolanum nigrumの幼苗。



 ミゾカクシLobelia chinensisの挿芽株。


 …んん?
 どこかで聞いた、というより、田畑を覗けばすぐに見つかる、いわゆる「雑草」と呼ばれるような植物ですね。


 どこにでも生えているものをなぜわざわざ育てているの?と思われるかもしれません。



 ところが、これらの植物、最近ブログでも取り上げられることの多いキーワードでもある、薬用植物としての潜在的なチカラを秘めているのです。


 その辺に生えているものを収穫するには、周りの草花から狙った植物だけを取り除かなければなりませんし、踏みつけや動物の糞尿などがかかってしまっている可能性もあります。
 そこで、今回は「雑草(薬用)」各種をそれぞれ丁寧に育て上げていきます。


 もちろん生育は放っておいてもグングン育つほど旺盛なため、播種も挿芽もそこまで気を使うことはなく、比較的栽培も容易です。

 しかし、丁寧に畝立てした畝に植えたりすると何故か生育が不良気味で、反対に、畝の脇や本来植える予定のなかった場所から生えているものの方が伸びが良かったりすることも…。


 ドジョウは綺麗な水には棲めない、とも言われますが、これらの植物も競合する「雑草」に囲まれた環境や、厳しい環境の方が居心地が良いのかもしませんね。

 そんな謎に対する解答も探しつつ、試験的に栽培を続けていきます。

(安藤匡哉)


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