2017年1月6日金曜日

屋上緑化を都市の中で広げたいですね!



 修士2年生の任倩玉です。
 ちょうど今は、大学院で2年間研究した内容をまとめている時期ですので、本日は自身の研究内容の一部について、ご紹介したいと思います。


 私の研究テーマは「屋上緑化シバ地における炭素動態と窒素動態」についてです。

 屋上緑化は、主に人工軽量土壌を用いて、セダムやシバ類など、乾燥耐性の強い植物を利用して、薄層緑化システムを作る都市緑化技術です。

 ヒートアイランド現象の緩和や、エアコンにかかる電力の低減、空気中の二酸化炭素・窒素酸化物を吸着する空気浄化、また都市部の景観向上など、様々な環境改善効果が期待され、これまで施工が推奨されてきました。



ある施工現場の屋上緑化の様子

 本研究室の先輩である黒沼さんの研究では、シバを植栽した屋上緑化における炭素固定能(空気中の二酸化炭素を炭素化合物として留める機能、大気中の二酸化炭素の削減能力)について報告されました。

 しかしながら、土壌中の炭素量との関連性が認められている微生物活動などについて、未だ報告例はありません。


 地上における森林や草地などの緑地において、炭素固定能は、生態系の物質循環と密接な関係があるため、多くの調査研究がおこなわれています。

 そこで、屋上緑化の長期的な経時変化、炭素固定能を明らかにするために、地上における物質動態の研究手法を用いて、屋上緑化シバ地における炭素動態について、調査してきました。



 研究の一部として、屋上緑化シバ地の土壌を「サッチ層」と「人工土壌層」に分けて、土壌中における微生物の活性やバイオマス炭素、呼吸量などを調査しました。 



上部のサッチ層と下部の人工土壌層

 その結果、屋上緑化シバ地において、炭素は主にサッチ層に蓄積されていることが明らかになりました。


 サッチ層の炭素量が時間の経過にしたがって増加するとともに、土壌中における微生物の活性が上昇し、バイオマス炭素量も増加しています。
 しかしながら、呼吸によって放出された二酸化炭素の量は、時間の経過にしたがって増加していませんでした。


 現在、この結果をもとに考察をおこない、研究デーマに沿ってまとめています。


 現在、中国には空気汚染、PM2.5の問題が深刻となっています。
 その問題を緩和して、都市部の環境を改善するために、屋上緑化は役に立つではないかと考えております。

 今後、自身の研究を活かして、環境改善の活動へ取り組み、屋上緑化を都市にもっと広げたいです。

(修士2年:任)

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