2016年10月24日月曜日

花は楚々としていても・・・

早いもので10月も後半となり、今年も2ヶ月ちょっとで終わってしまいますね。薬草園の植物も次第に地上部が枯れ始め、緑色から茶色が目立つようになってきました。



薬草園内には植えられていませんが、センター内のとあるところでセンブリの花が咲き始めました。センブリ(リンドウ科・Swertia japonica Makino)は、草地や明るい林床に自生する草丈10㎝~25㎝ほどの2年草です。白地に薄青紫色の筋の入った直径1㎝ほどの小さな可愛らしい花をたくさん着けます。


咲いている姿は楚々として、秋を感じさせてくれる植物ですが、一方でセンブリはドクダミやゲンノショウコとともに3大民間薬といわれ、古くから私たちの生活の中にはなくてはならない薬用植物として利用されてきました。千振(せんぶり)という名前にあるように、乾燥させた全草をお湯で何回も煎じてもまだ苦味が出るというくらい苦味の強い植物で、古くから胃腸薬として利用されてきました。最近では育毛効果も確認され、育毛剤の中にもその抽出物が含まれています。

長野県などで栽培もされていますが、近年では野生種の乱獲や里山の荒廃などにより、絶滅危惧種に指定されているところもあるようです。生薬名は当薬(とうやく・当たるくらいに効く薬という意)といいます。その他の3大生薬のゲンノショウコは現証拠(現に効果が表れるの意)、ドクダミは十薬(じゅうやく・10の薬効があるの意)など、先人たちは利用価値の高い植物に的確な生薬名を付けていますね。地方のお年寄りにお話を伺うと、植物名より生薬名でその植物の話をして下さる方が結構いらっしゃいます。伝承されてきたのでしょう。



センブリを含めて、先人たちが伝承してきた地方に残る民間薬に関する知識や知恵、栽培方法なども後世にも伝えて行かなければなりませんね。


   (渡辺 均)

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<第11回 センター祭 開催のお知らせ>
今年も千葉大学環境健康フィールド科学センターで
農場生産品や各種イベント盛りだくさんの、
「センター祭2016」を開催します。

花卉・苗生産部でもパンジー&ビオラ他、花壇苗や鉢花などなど
多数出品する予定です。

ぜひ、ご来場下さい!!

日時: 2016年11月3日(木・祝) 10:00 ~ 15:00
場所: 千葉大学環境健康フィールド科学センター内



詳しくはこちら↓
「第11回 センター祭」


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