2016年10月3日月曜日

余分な水

月に数回、週末や祝日に花卉・苗生産部の灌水当番が回ってきます。私の日頃の行いが良いのか(?)、私が担当する日のほとんどが曇りか雨。毎回晴れという花卉・苗生産部の職員もいる中で、灌水当番の時はかなりの確率で雨男です。

今回の当番も気温が低く、午前中は小雨、午後は曇りとなり、絶好(?)の灌水当番日和となりました。とはいっても当然ですが、すべての植物の状態をチェックします。

最近の長雨と低日照で、植物も何となく元気がありません。よく見ると灌水をしていないのに葉が濡れています。


スィートアッサム(葉の上が水滴で濡れています)


ビオラ(こちらも葉が濡れています)


葉の濡れ方は植物によって違いますが、これは根から吸収された水が葉の組織(排水組織)から放出されてできた水滴です。

排水組織は分泌組織の一つで、排水の仕方は植物によっていくつかのタイプがあります。葉先や葉の縁にある葉脈の末端にある水孔から排水するものや、表皮細胞由来の排水細胞や排水毛から水を放出する植物も知られています。


マーガレット(葉先に規則正しく水滴が付いています)


セラスチウム(水滴は葉先に1つ)


サトウキビ(葉の縁から)  


これだけ見ていると、植物によって水滴の付け方が違うので面白いのですが・・・。そうも言ってはいられません。


このマーガレットには水滴が付いていません。

同じマーガレットの品種でも上の画像のように葉先に水滴が付いていない株もありました。何故でしょう?

答えは、ポット内の土がやや乾き気味のためです。余分な水を葉先から排水するほど、植物体が吸水していないということです。

最近の曇りや雨の天候で、夜間の低温と高湿度の環境条件で、さらに植物体が濡れていれば・・・。それはもう、いつ病気が発生してもおかしくない好(?)条件が揃ってしまいますね。植物体が濡れているとその水に菌が増殖し、水孔や植物体の傷口などから病原菌が侵入することもあります。

このような天気が続く場合は、できるだけ施設内の風通しが良くなるように換気をし、空中湿度を下げ、土壌が過湿にならないようできるだけ灌水を控え、植物体の濡れを防ぐような栽培管理が必要になってきます。特にこの時期は、夏場と違って夕方に灌水するのはとても危険です。ふだんから植物をよく観察し、未然に起こりそうなことを予想し、早期に対策を実行することが大切ですね。



  (渡辺 均)

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